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人通りの多い場所やランチ時のオフィス街などで見かける移動販売は、初心者でも参入しやすい業態として注目を集めています。コロナの流行で苦戦が続く飲食業界においても、移動販売は強みを発揮しているのだとか。今回は、移動販売のメリットや、始める時の注意点をチェック。これから移動販売を始めようか検討している方に、ヒントとなる項目を見ていきます。
目次
移動販売のメリット
まずは、移動販売にはどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
家賃が不要
移動販売は、車で販売を行うため、家賃の支払いが発生しないというメリットがあります。
販売に使うための車を用意する必要はありますが、店舗を開くための家賃と比較すれば、安く済むことが多いようです。
出店したいエリアの家賃が高い、家賃は安くても集客が見込めない、というような場合でも、移動販売であれば、自分の店を構えることができます。
毎月の固定費として大きな出費となる家賃が不要なので、あまり手持ちの予算がないという方であっても、移動販売なら始めやすいかもしれません。
初期費用が安い
新たにお店や商売を始める時には初期費用がかかりますが、移動販売なら初期費用を安く抑えられるメリットもあります。
固定の店舗の初期費用は、1,000万円ほどかかると言われています。
一方、移動販売の初期費用は、250万円~300万円程度と、店舗を持つ場合よりも安く抑えられるのです。
移動販売用の車を用意する時も、手持ちの車を改造すれば、新たに購入する場合よりも費用を抑えられます。
必要となる費用が少ないため、開業までの計画も立てやすいでしょう。
場所の移動ができる
場所を移動できるのも、移動販売ならではのメリットです。
仮に、店舗を構える場合、売り上げが見込める立地を手に入れるために高い家賃を払っても、売り上げは人の流れより左右されます。
一方、移動販売であれば、その日のお客さんの流れを見て、販売する場所を移動することが可能です。
天候や曜日などを見極めながら、売り上げを確保できそうな場所に移動する攻めの商売ができるのも、移動販売の強みです。
屋外販売なので感染症の心配が少ない
移動販売は屋外販売なので、感染症の心配が少ない点もメリットです。
新型コロナウィルスの流行後、店内での飲食が減ってしまい、多くの飲食店が苦戦を強いられています。
従来はなかったテイクアウト用のメニューの開発など、対応に追われているお店も多数。
お客さんが飲食するスペースを持たない移動販売なら、感染症の心配も少ないでしょう。
もともとテイクアウトに対応している業態なので、コロナ禍での飲食業としては理想形と言えるかもしれません。
移動販売の注意点
さまざまなメリットがある移動販売ですが、注意点もあります。詳しく見ていきましょう。
費用の見積もり
移動販売を始めるには、まず、開業のためにどのぐらいの費用が必要なのかを見積もってみましょう。
移動販売に使う車や、販売するものの材料費など、現実的に必要な費用を計算します。
手持ちの資金と見積もり金額を比較して、場合によっては融資が必要となるかもしれません。
借り入れをする、しないに関わらず、まずは必要な費用を算出することが重要です。
必要な資格・申請の準備
移動販売を開始するには、いくつか必要な資格や申請があります。
営業許可
移動販売の営業許可には2種類あります。
1つ目は、食品営業自動車。
キッチンカーのように、自動車内で調理をする場合に必要となる営業許可です。
2つ目は、食品移動自動車。
乳類や食肉の販売など、自動車内で調理せず、あらかじめ包装されたものを販売する場合に必要となる営業許可です。
自分が何を販売するのかによって手続きも変わるため、事前に確認しておきましょう。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、飲食業を行うにあたって必須となる資格です。
保健所に営業許可の申請を行い、食品衛生責任者の養成講座を受けなければなりません。
養成講座を修了すれば、食品衛生責任者となることができます。
もともと調理師の資格がある方や、大学で医学や水産学を履修した方であれば、講習を免除される場合もあるため、要件に当てはまるか確認しておきましょう。
先述の営業許可は都道府県ごとに申請が必要ですが、食品衛生責任者は全国共通です。
2年ごとの講習会を受けておけば、県をまたいで営業する場合でも取り直す必要はありません。
仕入れ先の確保
移動販売では、仕入れ先の確保も重要なポイントです。
質の高い材料を安定的に仕入れられることは、移動販売を継続していく上で不可欠となります。
利益を算出する時も、原材料の値段が安定していないと先の見通しが立てにくいでしょう。
仕入れ先を決める時は、複数の業者を比較するのがおすすめです。
「配送に対応しているか」「作りたいメニューの材料が網羅されているか」「少量でも発注可能か」など、要望に応えてくれる業者を探してみましょう。
出店料・場所代
店舗を持たない移動販売には家賃がかかりませんが、一部の場所では、出店料や場所代が必要です。
例えば、イベント会場など人出が見込める場所では、1日あたり数千円~数万円かかる場合があります。
スーパーの駐車場やランチ時のオフィス街でも、出店料がかかるのが一般的。
イベントやスーパーの場合は、主催者やお店に交渉して出店料を確認する必要があります。
オフィス街の場合は、貸しスペースを提供している業者に問い合わせてみましょう。
商品や店のコンセプト
自由度が高く新規参入のハードルも低く感じる移動販売ですが、商売として成立させるにはオリジナルのコンセプトが重要です。
メニューや出店場所などを考える上でも、コンセプトがないと軸がブレてしまいます。
コンセプトとは、「誰に」「どんな時に」「何を売るか」を考えること。
この3つが定まったら、さらに細かくコンセプトを設定していきます。
コンセプトがしっかりしていると、お店の雰囲気や接客の仕方なども定まり、移動販売をスムーズに運営することができるでしょう。
しっかりとした見通しを持って移動販売をスタートする
移動販売を成功させるコツは、しっかりとした見通しを持つことです。
どこにどんなニーズがあるのかを分析しながら、移動販売の戦略を立ててみましょう。
最近のトレンドや社会の情勢にも、ヒントがあります。
しかし、流行っているものを販売するだけでは、競合も多くリピーターを獲得しにくいでしょう。
参入の際には、時代のニーズを読み解きながら、次にとるべき行動を予測してみてください。
まとめ
これまで飲食業に挑戦したことのない方でも、参入しやすい移動販売。
テイクアウトの普及もあり、今後も需要が見込まれます。
今、移動販売への参入を検討されている方は、ご紹介したポイントを整理して、ぜひ実りある事業にしてみてくださいね。