2019.02.01
RFID

RFIDのメリットとデメリットの比較

あらゆるシーンで活用されているRFIDの導入を検討している方は、少なくないのではないでしょうか。
ですが、RFIDに限った話ではありませんが、RFIDには大きなメリットもあれば、多少のデメリットも残念ながら存在しています。
ここでは導入の参考のために、RFIDのメリットとデメリット、それぞれを詳しく解説していきたいと思います。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

そもそもRFIDとは

RFID(Radio Frequency Identification)とは、近距離の無線通信を用いて、ID情報などのデータを記録した専用タグと非接触による情報のやりとりをする技術の総称です。
無線通信でデータを読み込んだり書き換えたりすることができるシステムと考えてください。
バーコードに似ていますが、RFIDタグという記憶媒体の中に情報を入れ込み、無線通信によって情報を読み書きできるシステムで、バーコードとは異なったものです。
日常生活の中では、交通系ICカードや電子マネーといった部分で利用されています。

RFIDの仕組み

RFIDでは、RFタグに付加されたデータを処理するためパソコンに加え、専用の読み込み機として「リーダライタ」を使用します。
データを処理するパソコンからリーダライタに読み込みか書き込みかの指示が出され、その指示を受け取ったリーダライタがRFタグと通信を開始します。
RFタグ側に搭載されているアンテナがリーダライタからの指示を受信すると、チップに含まれるデータを信号化するための信号がRFタグに流れます。
その信号をリーダライタで受信した後、データに変換し、パソコンで処理をするというのがRFIDの大まかな仕組みです。

バーコードとRFIDの大きな違い

RFIDは以前から使われているバーコードと比較されることが多いですが、似て非なるものなので使い分けをされることが多いです。
バーコードはよく見かけるので知っているかもしれませんが、数字やアルファベット文字などの情報をバーとスペースの組み合わせで表し、それをバーコードスキャナーで読み取ります。
ただし、バーコードが持てる情報は少なく、スキャナーが発する光を遮ると読み取りができないことや一度印刷するとその情報は変更できません。
それに対して、RFIDは先述した通りRFタグとリーダライタ間で通信を行います。
RFタグの記憶容量は数数10バイト~数キロバイトとバーコードに比べかなり大容量で、通信なので多少の障害物があっても読み取れ、データを書き換えられるタイプもあります。
また、RFIDのRFタグには、電池を持たないパッシブタグ、電池が内蔵されているアクティブタグ、両者の特徴を併せ持つセミアクティブタグの3種類があります。
電池のないパッシブタグでもリーダライタを近づけるだけで電磁誘導によって起動し、通信が始まるので、バーコードのようにその都度商品のどこに付いているか探す必要もありません。

RFIDのメリット

RFIDのメリット

業務の効率化

RFIDを導入することにより得られる大きなメリットは、やはり様々な業務を最大限に効率化させられる事です。
バーコードの場合は、商品を1つ1つ確認しなければならない性質上、どうしてもそういった作業には時間が掛かっていました。
ですがRFIDを導入すれば、商品が入荷された際の検品や出荷、棚卸などの業務負担を半減させるどころか、それ以上に軽減させることが可能です。
実際にRFIDを導入した店舗や倉庫の方々からは、「業務が効率化されて楽になった」という声が上がっている程です。
特に棚卸業務は通常業務と並行して行うことがほとんどのため、以前までは残業が求められる事もありましたが、それも最大限に軽減させることができます。
そのうえ人件費の削減も実現できるという、ユーザーにとってまさに一石二鳥と言えるのが、RFIDによる効率化というメリットです。

複数のタグを一括で読み取れる

RFIDタグであれば、ひとつひとつのタグを読みとらずに一括で情報を読み取ることができます。

在庫の管理においてこの機能はかなり有用なもので多くの商品を取り扱う場合、作業の効率化が見込めます。

距離が離れていても読み取れる

通信距離の短いバーコードの場合は、読み取り機をかなり近づける必要があります。

しかし、RFIDを活用すれば無線通信で情報を読み取るので、対象商品にそこまで近付く必要もありません。

倉庫などで手の届かない高いところに保管されているものでも手軽に情報を読み取ることができるので、作業効率の向上が可能です。

箱の中のタグも読み取れる

倉庫での作業の場合、段ボールといった箱の中に入ったままの状態でもRFIDタグを読み取ることができるのが利点です。

商品にバーコードがついている場合は、開封してひとつひとつ読み取り機をかざす必要がありますが、RFIDがついている場合は近づくだけでそれらの作業を省略が可能です。

汚れていても読み取れる

バーコードの場合はバーコード面そのものが情報を表しているため、マジックのインクや何かの拍子に表面が汚れてしまった場合は情報を読み取りが困難になってしまいます。

しかし、RFIDはタグの中に情報が書き込まれているため、表面が汚れていたとしても問題ありません。

対象物の検索ができる

RFタグは特定のタグのみを指定して読み取ることが可能であるため、対象物の検索も可能であるというメリットがあります。

リーダライタと対象物の距離によって電波の受信感度が変化するため、指定したRFタグに対して受信感度が高くなる場所を探します。

この手法を活用すれば、箱の中など見えない場所にあったとしても目的の荷物を見つけることができます。

データの書き込みと書き換え

バーコードと異なり、RFタグは種類によりデータの書き込みと書き換えが可能です。
メーカーでデータを書き込んだ後、ユーザーによるデータの追加書き込みができないリードオンリー型と、1度だけユーザーがデータを追加書き込み書きができるライトワンス型。
そして、何度もデータを書き換えられるリードライト型に、RFタグは分類されています。
RFIDの用途によって、それぞれのRFタグを運用できるというメリットがあるため、バーコードには見られなかった汎用性があると言っても差し支えがありません。

RFタグは汚れにくい

バーコードは汚れてしまったら読み込みが難しくなりますが、反対にRFタグは汚れに強いため、破損さえしていなければ、読み込みが困難になる可能性は少ないです。
そのため、ストレスを感じることなく管理に集中できるというメリットがあります。

RFIDのデメリット

導入費用が高い

RFIDには、ご紹介した要素以外にもメリットがいくつかあるのですが、多少のデメリットも残念ながら存在します。
その1つが、導入費用がバーコードと違って高いことです。
RFIDシステムの運用には、データベースを管理するPCや専用読取機のリーダライタ、データを組み込むRFタグが必要です。
その中でもRFタグは1枚あたりの単価が高く、機能や購入数によっては更に高騰してしまうことがあります。
そのため、導入費用の高さはRFIDのデメリットと言えるでしょう。

RFIDの種類の見極め

RFIDはRFタグも含めて種類が複数あるため、きちんと用途に沿った適切なRFIDを見極める必要があります。
種類によっては費用が高騰してしまうので、導入の際には熟慮が必要、という意味でデメリットの1つとして数えました。
導入を検討する際には、開発会社と相談の場を設けた上で用途や要望をきちんとお伝えした方が、運用に適切なRFIDの種類を見極められやすくなります。

思わぬ落とし穴がある

RFIDは導入しさえすれば、あとはメリットだけが残るのでは、と思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
実はRFIDのメリットの中にも思わぬ落とし穴があり、それは読み込まれなかったRFタグを特定するのが難しい、というデメリットです。
あくまでRFIDは通信範囲内のRFタグを読み取れるだけなので、もしも範囲外で読み込みから漏れてしまったら、それを判別するのは困難です。
良くない結果として、実際の仕入数と在庫数に齟齬が生じるという恐れがあるため、RFIDを導入する際には、検品や棚卸に関するルールを設けた方が良いでしょう。

RFIDは他システムとの連携ができる

RFIDは、POSシステムなどの他のシステムと連携させることができます。
例えば、RFIDとPOSシステムを連携させる事で、商品に付けられたタグを読み取るだけで会計に移れる、という事ができるのです。
専用の読取機が別途必要になりますが、会計所要時間を短縮化できるメリットがあります。
RFIDシステムを開発している会社は、他のPOSシステムを含めた他の管理システムを開発していることが多いです。
そのため、場合によってはRFIDを含めまとめて相談してみるのも良いかもしれませんね。

まとめ

RFIDにはメリットとデメリットがそれぞれありますが、何とか導入さえして管理のルールを設けられれば、メリットをひとえに受けられるシステムです。
管理がスムーズに行えるようになれば、他の業務に時間を割けられるので、是非導入を考えてみてはいかがですか。

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