2019.05.15
RFID

RFIDとバーコードの相違点とは

近年になって知られるようになったRFIDという技術体系は、よくバーコードと比較されることが多いです。
バーコードは私たちにとって馴染み深いものですが、近い将来、RFIDがバーコードと完全に取って代わるかもしれません。
ここでは、RFIDがどういう技術なのかを踏まえつつ、バーコードとの違いを詳らかにご紹介します。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

そもそもRFIDとは?

RFIDとは、Radio Frequency IDentifierの略称で、ICタグ(RFタグ) に埋め込まれたデータを接触せずに電波や電磁誘導を活用した無線通信で読み取る、もしくは書き込む技術(システム)の総称です。
もう少し具体的に説明いたしますと、ハンディターミナルやリーダライタなどを用いることで、ICタグに埋め込まれたデータを読み取ったり、または書き込むことができるのです。

RFIDという技術の概要だけでは想像しにくいかもしれませんが、今現在、あらゆる場所・場面でRFIDが用いられています。
先述したように、そう遠くないうちに、RFIDがバーコードに取って代わる可能性が高いです。

RFIDとバーコードの違い

RFIDとバーコードの主な違いは、以下のようになります。

以上がRFIDとバーコードの違いなのですが、これだけではもしかしたら想像しにくいかもしれませんので、以下にて詳細を説明いたします。

通信距離

上記の表のように、RFIDの通信距離は最大で数十メートルに及びますが、バーコードの通信距離は数センチメートルです。
そのため、バーコードを読み込む場合には、読取機(バーコードスキャナ)を近くまで接近させないと読み込むことができません。

一方でRFIDの場合は、ICタグを読み取るためにわざわざハンディターミナルを接近させる必要がありません。
通信距離の範囲内であれば、例えばハンディターミナルとRFタグの距離が2メートルだったとしても、ハンディターミナルをかざすだけで読み取りが可能です。

そのため、RFIDであれば、コンビニのレジのようにわざわざ商品を1つ1つ手に取ってバーコードを読み込む手間を大幅に省けるのです。

視認性

バーコードは線の太さによって情報を表していて、なおかつ通信距離が短いために、きちんと視認した上で読取機をかざさないと、情報を読み込めません。

反対にRFIDは、電波もしくは電磁誘導を用いた無線通信技術を用いてICタグに埋め込まれたデータを読み取るので、わざわざ視認する必要がありません。
ですので、通信距離の範囲内であれば、例えダンボールに入っていたとしても、ハンディターミナルをかざすだけで読み取ることができます。

同時読み取り

バーコードの場合は、読取機で1つ1つかざさなければ、情報を読み取ることができません。
コンビニやスーパーなどで、商品を1つ1つ読み取っているスタッフをいつものように目にしていますよね。
また、読み込む代物がダンボールに複数入っているとしたら、ダンボールをわざわざ開けた上で1つ1つ読み込み、場合によってはダンボールに戻さなければなりません。

反対にRFIDでは、複数のICタグを1度で同時にスキャンすることができます。
そのため、わざわざダンボールを開けなくても、ハンディターミナルをかざすだけで複数の商品を読み取れます。

汚れへの強さ

バーコードに汚れがついていた場合、読取機で読み取れないことがよく起きます。
先述したように、バーコードは線の太さで視覚的に情報を表しているため、もしも汚れていると、読取機がバーコードを情報として認識しないからです。

しかしながら、ICタグが汚れていたとしても、タグ内にあるアンテナを介して情報をやり取りしているため、アンテナの働きが阻害されない限りは、データを読み取ることができます。
つまりRFIDであれば、タグの表面が汚れていたとしても、特に気にする必要はありません。

RFIDの利用事例

RFIDの利用事例について、詳しく解説していきます。
既にRFIDはアパレル店や物流工場などで利用されているのですが、以下の事例は、バーコードでも行われていることなので、その点にも留意して見ていただきたいです。

POSレジ

RFIDを利用したPOSレジの会計作業は、バーコードよりも大幅に手間を省くことができます。
先程ご紹介したように、RFIDでは通信範囲内であれば複数のICタグを同時に読み取ることができます。
そのため、例えば所定の位置に複数の商品が入った買い物カゴを置くだけで、わずか数秒で会計金額が算出されるPOSレジがあるのです。

実際にとあるアパレル店では、RFIDを用いたセルフレジを設置しています。
人件費が削減できる上に、会計も自分で行うという完全なセルフレジであっても、お客様にあまり負担を掛けずに済みます。

入荷検品・棚卸

入館検品や棚卸業務についても、バーコードではなくRFIDで行うことで、作業時間の大幅な削減が見込めます。
バーコードであれば、1つ1つ手に取ってスキャンしなければいけない性質上、入荷検品作業はもとより、棚卸業務にも多大な時間を割くことになります。

薄々勘付いているかもしれませんが、RIFDであればハンディターミナルを特定の方向にかざすだけで商品を読み取れます。
そのため、わざわざ箱から取り出さなくても、商品の在庫数および入荷数を短い時間で確認することができるため、入荷検品・棚卸業務の負担が大幅に軽減されるのです。

RFIDの留意点

ご紹介したように、RIFDがバーコードと異なり利用する上で多大なメリットがあるのですが、表でも見た通り、導入コストがどうしても高くなってしまうことに留意しなければなりません。

また、無線通信でICタグに埋め込まれたデータの読み取りおよび書き換えを行うため、金属や電波、水などの影響を受けやすいです。

そのため、RFIDを使用する場合には、導入コストと使用環境に留意する必要があります。

まとめ

RFIDはバーコードよりも利便性が高く、なおかつ多様性があるため、上述した事例以外にも、様々な場面で活用されています。
人件費の削減や業務の効率化を図れるRFIDは、これからますます発展することでしょう。
RFIDの運用を検討している方は、ぜひ参考にしていただきたいです。
 
>>RFIDの特徴や種類についての詳細はこちら

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