2024.09.30
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キャッシュレス決済の手数料は高すぎる?導入方法や海外との比較

キャッシュレス決済は日本でも広がりを見せており、多くの店舗で導入が進んでいます。しかし、手数料や導入方法など不明点も多く、導入を躊躇するお店も少なくありません。実際には、キャッシュレス決済には売上増加や業務効率化などのメリットがあります。

 

本記事では、導入のメリットや手数料の詳細、具体的な導入方法などを詳しく解説します。これらの情報を参考に、各店舗に合ったキャッシュレス決済の導入を検討できるでしょう。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

 

キャッシュレス決済の手数料とは?海外との比較

キャッシュレス決済の手数料とはどのようなことなのでしょうか。ここでは手数料の概要や消費税、海外との違いに関して詳しく解説します。

 

キャッシュレス決済の手数料とは

キャッシュレス決済の普及に伴い、決済手数料の概念も重要性を増しています。キャッシュレス決済の手数料は、顧客がキャッシュレスで決済を利用した際に、加盟店がサービス提供事業者に支払う費用です。

 

一般的に決済金額の3〜4%程度で設定されていますが、具体的な率は決済サービスの種類や、加盟店の業種、規模によって変動します。

 

近年では、PayPayやLINE PayなどのQRコード決済サービスが台頭し、従来よりも低い手数料率を提供しているため、コスト削減を目指す経営者にとって魅力的な選択肢となっています。

 

ただし、注意すべき点として、この手数料を顧客に転嫁することは禁止されています。決済金額に手数料分を上乗せして請求することは、サービス提供事業者との契約違反とみなされるため注意しましょう。

 

消費税はどうなる?

キャッシュレス決済の手数料に関する消費税の取り扱いは、契約形態によって異なります。

 

決済サービス提供元と直接契約を結んでいる場合、決済手数料は非課税です。主にクレジットカード会社やQUICPay、iDなどが挙げられます。

 

一方、決済代行会社を介して契約している場合は、手数料が課税対象となります。例えば、nanaco、LINE Pay、d払いなどがこれに該当します。ただし、注意すべき点として、サービス提供元がクレジットカード会社であっても、実際の契約先が決済代行会社である場合は課税扱いです。

 

そのため、キャッシュレス決済サービスを導入する際は、契約書をきちんと確認し、手数料の消費税の取り扱いを把握することが重要です。

 

海外との比較

日本のキャッシュレス決済における手数料の高さは、その普及を妨げる要因の一つとして指摘されています。特にクレジットカード決済に焦点を当てると、日本の手数料相場は3〜5%程度と高水準です。

 

これに対し、EUでは規制により手数料の上限が0.3%に設定されており、日本との差は顕著です。国際比較の観点から見ても日本の決済手数料が高いことがわかります。

 

特に小規模事業者にとって大きな負担となり、キャッシュレス決済導入のハードルとなっているのが特徴です。日本における手数料の高さは、決済システムの運営コストや市場構造など、複合的な要因に起因していると考えられます。

 

キャッシュレス決済の手数料(目安)を手段別で紹介

キャッシュレス決済の手数料は決済手段で異なります。ここではそれぞれの手数料を紹介します。

 

クレジットカード決済

個人経営の飲食店などの小規模事業者の場合、決済手数料は4〜7%程度に設定されることが一般的です。例えば3,000円の支払いに対して120円から210円もの手数料が発生します。

 

一方、コンビニエンスストアなどの大手チェーン店では、取引量の多さを背景に手数料率が大幅に低く抑えられており、1%前後が一般的です。同じ3,000円を支払うとしても、わずか30円程度の手数料で済むことになります。

 

この差は、小規模事業者にとって無視できない経営上の課題となっています。高い手数料率は直接利益率を圧迫し、深刻な問題となる可能性があるのです。

 

また、この状況がキャッシュレス決済の導入を躊躇させる要因の一つとなっており、結果として日本全体のキャッシュレス化の進展を遅らせている面もあります。

 

このような状況を改善するためには、小規模事業者向けの手数料率の見直しや、競争促進による全体的な手数料率の低下、あるいは政府による規制や支援策の導入などが検討される必要が出てくるでしょう。

 

電子マネー決済

SuicaやPASMOなどの電子マネー決済の特徴として、端末にカードをかざすだけで完了するタッチ決済の便利さが挙げられます。

 

交通系ICを含む電子マネー決済の手数料率は、一般的に3〜4%程度が相場です。例えば会計が3,000円の場合、事業者側が負担する手数料は90円から120円程度となります。

 

この手数料は決して低いとは言えませんが、電子マネー決済がもたらす利便性や顧客満足度の向上を考慮すると、事業者にとって導入を検討する価値があるでしょう。

 

特にチャージ式タイプの場合、利用者は現金感覚で手軽に使用できるため、日常的な少額決済に適しています。また、交通系ICカードは日常的に多くの人が携帯しており、これらの決済手段を導入することで、幅広い顧客層のニーズに応えられます。

 

QRコード決済

QRコードやバーコード決済は、PayPayやLINE Payに代表される新しい決済方法です。手数料率は従来の決済方法と比べて低く、0〜3%前後が相場となっており、中には手数料が全くかからないサービスも存在します。

 

3,000円の会計に当てはめると、最大でも90円程度の手数料負担で済むことになります。特に利益率の低い業種や小規模事業者にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

 

QRコード決済はアプリを通じてスマートフォンを使用するため、デジタルネイティブ世代の若者を中心に急速に普及しています。特に軽食やファストフード店などの、若年層の利用頻度が高い業態では、QRコードやバーコード決済への対応が顧客獲得や維持の鍵となる可能性が高いです。

 

また、QRコード決済は頻繁にキャンペーンを実施しており、ユーザーに対してポイント還元や割引を提供することで、利用を促進しています。このような施策は、店舗側の負担なしに集客や売上増加につながることがあります。

 

>>QRコードの決済手数料はどのくらい?決済事業者の特徴やメリット

 

キャッシュレス決済を導入するメリット

キャッシュレス決済を導入するメリットは以下の通りです。

 

  • レジ対応が楽になる
  • 新規顧客を獲得しやすい
  • 客単価がアップしやすい
  • 防犯対策ができる
  • 移動販売ができる

 

レジ対応の手間が省ける

現金取り扱いの手間が省かれることで会計処理がスムーズにでき、お客様の待ち時間の短縮につながります。レジ締めの時間も大幅に削減され、スタッフの業務効率が向上します。頻繁な両替の必要性が減少するため、銀行への往復や手数料の削減にもつながるでしょう。

 

また、現金を扱う機会が少なくなることで、金額の計算ミスや、おつりの渡し間違いといった人為的エラーのリスクが軽減されます。特に混雑時や、新人スタッフが対応する際に効果的です。

 

新規顧客の獲得につながる

キャッシュレス決済の普及に伴い、対応店舗の増加は必須です。導入により、カード決済や電子マネー利用者のリピート率向上が期待できます。

 

さらに、キャッシュレス比率が高い海外からのインバウンド需要の取り込みも可能となり、新規顧客獲得の機会が広がるでしょう。

 

客単価がアップする

キャッシュレス決済の大きな特長は、現金を持ち歩く必要がなく、残高を気にせずに買い物ができる点です。そのため、消費者は高額商品の購入に対する心理的なハードルが低くなり、結果として支出金額が増える傾向があります。

 

防犯対策にもなる

店舗内の現金保管量が減少することで、防犯面でのリスク軽減も実現します。運営全体の最適化と安全性向上をもたらし、結果として顧客サービスの質の向上と経営効率の改善につながります。

 

特に深夜営業や人通りの少ない場所にある店舗にとって、大きな安心材料となるでしょう。

 

移動販売ができる

キッチンカーのような移動販売では、十分な釣り銭の準備や売上金の管理が課題でしたが、キャッシュレス化によってこれらの問題が解消されました。

 

スマートフォンやタブレットを利用した決済システムを採用することで、場所を選ばず簡単に決済処理が可能となります。これによりイベント会場や街頭での出店、さらには顧客の自宅への直接販売など、多様な販売形態に対応することが可能です。

 

また、決済データがデジタルで記録されるため、売上管理や在庫管理も効率化されます。このように、キャッシュレス決済は移動販売のビジネスモデルを変革し、新たな事業機会につながる重要なツールとなっています。

 

また、近畿システムサービスでは、売上・仕入・在庫・棚卸管理機能を提供し、顧客・売掛・発注管理など、必要に応じて機能拡張が可能です。パソコン1台から導入できるので、初期費用がかからないのがポイントです。

 

>>移動販売に導入したいキャッシュレス決済とその利点を詳しく知りたい方はこちら

 

キャッシュレス決済を導入するデメリット

キャッシュレス決済を導入する前に、デメリットも把握しておくことが大切です。

 

すぐに売上が振り込まれない

現金決済では即時に売上金を手にできるのに対し、キャッシュレス決済では売上金が振り込まれるまでに一定の期間を要します。

 

特に小規模事業者や新興企業にとって資金繰りに影響を与える可能性があります。日々の運転資金が限られている場合、キャッシュレス決済の比率が高くなると、短期的な資金不足に陥るリスクが生じるかもしれません。

 

そのため、仕入れや給与支払いなど、即時の現金が必要な場面で問題となることがあります。したがって、キャッシュレス決済を導入する際には、入金サイクルを考慮し、適切な資金計画を立てることが重要です。

 

初期費用がかかる

決済端末の購入やシステム導入にかかる費用は、大きな投資に感じられるかもしれません。しかし、長期的には十分に見返りのある投資と考えられます。

 

導入後のコスト削減効果は顕著で、現金管理にかかる時間や労力の削減、レジ締めの効率化、両替手数料の削減などが劇的に変わるでしょう。

 

さらに、客単価の向上や新規顧客の獲得による売上増加も期待できます。これらは初期投資を上回る経済的メリットをもたらす可能性が高いです。

 

加えて、政府や地方自治体が行っている補助金制度を利用することで、初期費用の負担を軽減できる機会も多くあります。支援策を活用すれば、より少ない自己負担でキャッシュレス化を進められます。

 

キャッシュレス決済サービスを利用する方法

キャッシュレス決済サービスを利用する際の手段は主に2つあります。ここでは「直接契約」「決済代行サービス」をそれぞれ解説します。

 

直接契約する

決済事業者との直接契約は、仲介業者を介さないため手数料を抑えられます。特に取引量の多い事業者にとっては経済的利点です。しかし、複数の決済事業者と個別に契約を結ぶ必要があるため、それぞれの審査を経なければなりません。

 

また、各決済事業者との交渉や契約管理、さらには複数のシステムへの対応など、運用面での複雑さも増えます。したがって、直接契約を選択する際は、コスト削減効果と管理負担のバランスを慎重に検討しましょう。

 

決済代行サービスに依頼する

決済代行会社を介した契約方式のメリットは、複数の決済事業者との契約や審査を一括して行えることです。

 

導入時の手続きが簡素化され、時間と労力を節約できます。さらに、決済情報の一元管理が可能となり、売上状況や手数料の総額をラクに把握できるため、経営の透明性が向上します。決済代行会社を利用することで、手数料を抑えられるケースが多いのも注目すべき点でしょう。

 

まとめ

キャッシュレス決済の手数料には、一見デメリットに思える側面もありますが、実際にはさまざまなメリットがあります。

 

売上増加や客単価向上、現金管理の手間と時間の削減、レジ締めの効率化などが期待できます。また、防犯面での安全性向上や、スタッフのミス減少による顧客満足度アップも重要な利点です。

 

さらに、インバウンド需要の取り込みや、新規顧客の獲得にもつながり、長期的には事業成長を促進する重要な要素となります。

 

株式会社近畿システムサービスでは、催事や移動販売、スペースの制約がある店舗にも適した柔軟なPOSシステムを提供しています。従来のPOS設置が困難な環境でも、コンパクトな設計により容易に導入できます。

 

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