小売店や飲食店の運営において、効率的な会計処理は非常に重要です。その中で、自動レジ（自動釣銭機）の導入が注目を集めています。
そこで本記事では、自動レジの仕組みや種類、そして導入によるメリットを詳しく解説します。人手不足や現金管理の煩わしさに悩む店舗経営者の方々にとって、自動レジは魅力的なソリューションです。
効率化、正確性の向上、従業員の負担軽減など、自動レジがもたらす利点を理解することで、ビジネスの改善につながるかもしれません。ぜひ、自動レジ導入の可能性を探ってみてください。
近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。
目次
自動レジ（自動釣銭機）とは？
自動レジとはお客様自らが商品を購入できる機器です。ここでは自動レジの仕組みや普及された背景を解説します。
自動レジはお客様が商品を購入する機械
自動レジは、お客様が自ら商品をスキャンし、支払いまでを完結させる機械です。バーコードリーダー、タッチスクリーン、決済端末などを統合し、人的介入を最小限に抑えつつ、スムーズな会計処理を実現します。
現金、クレジットカード、電子マネーなど、多様な支払い方法に対応し、レシート発行も自動で行うことが可能です。
自動レジの導入により、待ち時間の短縮、人件費の削減、24時間営業の実現など、店舗運営の効率化と顧客満足度の向上が期待できます。
近年のテクノロジーの進化により、さらに使いやすく、正確な自動レジが開発されています。
自動レジが普及された背景
自動レジの普及は、労働力不足や業務効率化の需要から始まったとされています。人件費の上昇や長時間労働の問題に対応するため、多くの小売業が自動化を模索しました。
さらに、2020年の新型コロナウイルスの流行が、自動レジ導入を加速させたのです。感染リスクを減らすため、人と人との接触を最小限に抑える必要性が高まり、自動レジはその解決策として注目されています。
非接触での会計処理ができる自動レジは、顧客と従業員双方の安全を確保することが可能です。
このように、経済的要因と衛生面での要求が重なり、現在もなお自動レジの普及が急速に進んでいます。
自動レジの種類は主に3つ
自動レジの種類は3つあります。それぞれ特徴が異なるので、ぜひ参考にしてください。
- フルセルフレジ
- セミセルフレジ
- POSレジと自動釣銭機を連動させたタイプ
①フルセルフレジ
フルセルフレジは、顧客が商品のスキャンから支払いまですべての操作を自ら行うシステムです。スタッフ不足や高齢化に伴う業務効率化のニーズを背景に普及が進んでいます。
大手スーパーや飲食店では、混雑緩和や24時間営業のサポートとしてフルセルフレジを導入し、待ち時間短縮と労働コスト削減を実現しています。
顧客の利便性向上と店舗運営の効率化を同時に達成できるため、フルセルフレジは現代の小売業が直面する課題を解決する有効な手段として注目されている機器です。
今後、技術の進化とともにさらなる普及が予想され、小売業界や飲食業界に大きな変革をもたらす可能性があります。
②セミセルフレジ
セミセルフレジは、従業員とお客様の協力によって会計処理を行うシステムです。
従業員が商品のバーコードスキャンを担当し、お客様が決済方法を選び料金を支払います。
従業員は商品スキャン後、次の顧客の対応や商品の梱包作業に移ることができ、待ち時間の短縮につながります。同時に、お客様は自分のペースで支払いを行えるため、ストレスが解消されるでしょう。
セミセルフレジは、完全な自動化と従来のレジの中間に位置し、人的サービスの良さと効率化のバランスを取った解決策として、多くの小売店で採用されています。
③POSレジと自動釣銭機を連動させたタイプ
POSレジ（Point Of Sales Register）は、販売時点情報管理システムを搭載した機器です。単なる金銭の受け渡しだけでなく、販売データを即時に記録・分析する機能を持っています。
商品のバーコードをスキャンすることで、販売数量、金額、時間帯などの詳細な情報を自動的に管理システムに送信します。
これにより、在庫管理、売上分析、顧客管理などが効率化され、経営判断に必要な情報をリアルタイムで取得できます。
さらに、クレジットカードや電子マネーなど多様な決済方法にも対応できるため、現代の小売業に不可欠なツールです。
また、POSレジに自動釣銭機を連動させた製品もあり、スーパーやコンビニエンスストアで多く導入されています。
近畿システムサービスでもPOSシステムを提供しています。POSシステムに関して詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
＞＞POSシステムで在庫管理をするメリット・デメリットを解説。運用のポイントも
自動レジを導入するメリット
自動レジを導入するメリットは多数あります。下記で挙げる5つのメリットを見ていきましょう。
- 人件費を削減できる
- ニーズに合わせた選択が可能
- 人為的ミスを減らせる
- スムーズな支払いができる
- 無人店舗を設置できる
人件費を削減できる
従来のレジ業務では、常時スタッフを配置する必要がありましたが、ピーク時以外の閑散とした時間帯での人員配置の見直しができるのが特徴です。
また、24時間営業の店舗では、深夜帯のスタッフ確保の課題も解決できます。さらに、レジ業務から解放されたスタッフを、接客や商品管理など、より付加価値の高い業務に振り分けることが可能です。
ニーズに合わせた選択が可能
自動レジの開発は急速に進化しており、さまざまな店舗のニーズに対応できるタイプが登場しています。
フルセルフ型、セミセルフ型、AI搭載型など、選択肢は多岐にわたります。
小規模店舗向けのコンパクトな設計から、大型スーパー向けの高機能モデルまで、規模に応じた選択が可能です。
さらに多言語対応や音声ガイダンス機能を備えたモデルもあり、インバウンド需要にも対応できます。
店舗の特性、顧客層、予算に応じて最適な自動レジを選択することで、効率的な店舗運営が実現できるでしょう。
人為的ミスを減らせる
従来の手動レジでは、商品の価格入力やつり銭の計算など、人間の判断や操作に依存する部分が多く、ミスやトラブルが発生しやすい環境でした。
しかし、自動レジではバーコードスキャンによる正確な価格読み取りや、自動計算によるつり銭の誤りが極めて少なくなります。
また、レジ締めの際の現金集計ミスも自動化により解消されます。
さらに、疲労や忙しさによる集中力低下の影響も受けにくいため、長時間営業や混雑時でも一定の正確性を保てます。
スムーズな支払いができる
自動レジの大きな利点は、多様な支払い方法に対応し、スムーズな決済を実現することです。
硬貨や紙幣の自動認識・計算機能により、現金での支払いが迅速かつ正確に処理されます。
同時に、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、さまざまなキャッシュレス決済にも対応しており、顧客の好みに合わせた支払い方法を選択できます。
また、釣り銭の準備や現金管理の負担も軽減されるため、店舗運営の効率化にもつながるでしょう。
お客様側にとっては便利で、店舗側にとっては効率的な支払いシステムとして、自動レジは不可欠なツールとなっています。
無人店舗を設置できる
自動レジの導入により、無人店舗の運用が可能です。人件費の削減だけでなく、24時間営業の実現や、人手不足問題の解決にもつながります。高度なセンサー技術やAIを活用した自動レジシステムにより、商品の認識から決済まですべてのプロセスを自動化できます。
また、防犯カメラやセキュリティシステムと連携することで、盗難防止も可能です。顧客は、スマートフォンアプリや会員カードを使って入店し、自由に商品を選び、自動レジで支払いを済ませて退店できます。
画面に表示された通りにタッチするだけなので、使い方も簡単です。この無人運用システムは、コンビニエンスストアや小規模小売店など、多くの業態で導入が進んでいます。
自動レジを導入するデメリット
自動レジのメリットだけではなく、デメリットも把握することが大切です。下記で注意するポイントをまとめました。
スペースの確保が必要
自動レジの設置は、スペースの確保が課題です。自動レジは大きめのサイズなので、レジ周辺の限られたスペースに設置する際は確認するようにしましょう。
特に、狭い店舗や人通りの多い場所では、従業員の動線を妨げる可能性があり、業務効率の低下につながる恐れがあります。
また、顧客の通路を狭めてしまう場合、店舗の快適性や安全性にも影響を及ぼしてしまうかもしれません。さらに、機器のメンテナンスやトラブル時の対応スペースも考慮する必要があります。
なお、株式会社近畿システムサービスでは、POSの設置が困難な環境でも効果的に利用できるハンディ管理システムを提供しています。催事や移動販売、スペースの限られた店舗に最適で、小型プリンタとの連携でレシート発行も可能です。
売上管理だけでなく、発注や棚卸など幅広い店舗管理機能を提供し、コンパクトながら従来のPOSと同等の機能性を実現します。
初期費用が高くなる
自動レジの導入には、高額な初期費用がかかるというデメリットがあります。システムの購入やインストール、従業員の教育、店舗のレイアウト変更など、多くの投資が必要です。
特に、高機能な最新モデルや複数台用意する場合、その費用はさらに膨らみます。また、既存のPOSシステムとの統合や、セキュリティ対策のための追加投資も検討する必要があります。
長期的には人件費削減などのメリットがありますが、投資回収には一定の期間を要するため、慎重な財務計画が不可欠です。
自動レジの価格相場
自動レジの本体価格の相場は200万円から450万円と高額ですが、効率性と長期的なコスト削減効果から、多くの店舗で採用しています。
ただし、電子カルテやレセコンとの連携、キャッシュレス対応などの追加オプションによっては、さらなる料金が発生する可能性があります。初期投資は大きいものの、業務効率化や人件費削減などの長期的なメリットが評価され、需要が高まっています。
また、自動レジの導入に伴う高額な初期費用の負担を軽減するために、国や自治体が提供する補助金や助成金制度の活用がおすすめです。これらの支援制度は、中小企業のIT化や生産性向上を促進する目的で設けられており、条件を満たせば導入コストの一部を補助してもらえる可能性があります。
申請手続きは煩雑な場合もありますが、専門家のアドバイスを受けながら活用することで、財務的な負担を大幅に軽減できるでしょう。
まとめ
自動レジは、商品のスキャンから支払い処理まで、会計プロセスを自動化する先進的なシステムです。人件費削減、効率向上、人為的ミスの軽減などのメリットがあり、小売業や飲食業で急速に普及しています。
株式会社近畿システムサービスではPOSシステムとの連携により、多彩な決済方法への対応、リアルタイムでの売上・在庫管理機能などを提供します。また、ハンディ管理システムの提供により、従来のPOS設置が難しい環境でも効率的な運用が可能です。
当社のPOSシステムにご興味のある方は、お気軽にご相談ください。
