2019.02.01
POS

POSシステムを利用するメリット・デメリットとは

「POSシステム」という言葉は、小売店などの店員として勤めたことのある人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
レジ自体のことであったり、発注の際に使う機械であったり、店舗PCに導入されていたりと、あらゆるイメージがあるかと思います。
しかしそのPOSシステムを利用することで得られるメリットやデメリットがどういったものなのか、正しく理解している人は少ないようです。
そこで今回は、POSシステムを利用するメリットとデメリットについて詳しく解説していきたいと思います。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

POSシステムとは

POSシステムの需要は高まってきており、多くのお店で導入が進められつつあります。

みなさんが買い物をする際にも、店員がバーコードを読み取るだけで即座に金額が表示されたり、購入した商品の情報が記載されたレシートが即座に発行されたりするような光景はもはや当たり前になっていますよね。

このPOSシステムとは、小売業の日々の売上や販売した商品をデータ化して管理するために必要なシステムの総称を指します。

POSシステムは、販売形態や購買行動の変化を受けて日々進化を続けています。

また、新型コロナウィルスの影響により、ECサイトの利用が増えており、それを受けた企業が既存のPOSシステムを刷新するケースも増えています。

そこでまずは、POSシステムについての知識を簡単におさらいしていきましょう。

定義

POSとは“Point of Sale”の略称で、日本語では「販売時点情報管理」と訳します。

つまり、小売店の商品が販売された時点の情報を管理するものです。

「POSシステム」は、店舗の商品管理から売上情報、消費者の購買行動などのデータを集計するためのハードウェアやアプリケーションを総称したものを指します。

一般的にはアプリケーションのことを表すことが多いですが、店頭のハードウェアに搭載されていることから、本部のサーバー側機能までを含む用語として用いられることもあります。

「いつ、どの商品が、どんな価格で、いくつ、どのような顧客に売れたか」などの情報を収集できるシステムと考えてください。

また、以下ではPOSシステムのメリットについて紹介していますが、規模の大きなお店ほどメリットが大きくなる傾向にあります。

POSシステムのメリット

人件費が削減できる

POSシステムの導入によるメリットとしてとても大きいのが、人件費が削減できるという点です。
POSシステムによって、以前は手作業で行っていた売り上げの計算を自動で行うことができるようになり、従業員の作業工数を大幅に削減することができるとともに、間違いを減らすこともできます。
バーコードを読み取るシステムであるためにレジの手打ち作業もなくなり、そこでも従業員の作業効率を高めることが可能になります。
また、会計がスムーズになることでお客様の待ち時間を減らすことができる点もメリットとして挙げられます。

データを残すことができる

あらゆるデータを残すことができるというのも、大きなメリットだと言えるでしょう。
いつ、どの商品が、どのような人に売れたのかというデータを残すことで、売れ筋の傾向などを様々な状況別に把握することができ、その後の販売戦略に生かすことができます。
バーコードを読み込むことで、どの商品がいつ売れたのかという情報が保管され、人気が集中している商品や、天候や季節ごとの売れ行きの変化などを統計データとして出すことができます。
また、売れ行きに応じて在庫状況も逐一更新されるため、在庫の少なくなっている商品の発注を自動で行うことなども可能であるため、在庫切れのリスクも減らすことができますね。

業務の効率化

操作性の良いPOSシステムを導入することで、店員のオペレーションを簡素化できます。

従来のレジはテンキーを使って商品価格を入力するものがイメージされますが、入力や操作手順のミスが多いのが問題です。

一方、バーコードをスキャンするだけで商品情報を読み取れるPOSレジならば、操作手順が簡素になりヒューマンエラーを防ぐことができます。

できるだけ直感的に操作できるPOSシステムを導入することで、人的ミスのリスクを軽減できるのです。

キャッシュレス決済に対応

近年、急速に普及したクレジットカードや電子マネー(ICカードなど)、スマホ決済などの多様なキャッシュレス決済への対応が迫られています。

POSシステムとキャッシュレス決済システムを連動させることでスムーズに対応できます。

現在、キャッシュレス決済に対応していない場合は一緒に導入してしまうのがおすすめです。

複数店舗のデータ管理が簡単に

多店舗展開しているお店であれば、全店舗のストアPCをPOSシステムで連携し、それぞれの顧客データを集結して統計を出し、マーケティングに活用することもできます。

複数店舗の売上データを見たいと思った時にも、リアルタイムで確認が可能です。

A店で売れている商品がB店では全く売れていない状況になった時に早期に気づくことができ、早期から対策を講じることができます。

的確な指示を出すことができるため、販売機会の損失を防ぐことが可能です。

顧客満足度の向上

店員がPOSシステムを操作するスピードによって会計時間を短縮できるため、業務効率の向上につながります。

また、お客様の購買行動は、会計時の所要時間にも大きく左右されるといわれています。

行列ができている店を見て並びたいかどうかを考えてみるとイメージしやすいのではないでしょうか。

待ち行列が発生せず、お客様が望む決済方法をスムーズに実行できれば、顧客満足度アップにも大きく貢献するでしょう。

在庫管理ができる

POSシステムを導入することで、複数の店舗を展開する企業でも在庫管理の一元化が可能になります。

小売業では、仕入れた商品在庫を長期間抱えている状態をあまり良いとは言えません。

そこでPOSシステムを利用したデータ管理が活きていきます。

店舗ごとの在庫管理はもちろん、企業全体としての在庫を最適な状態に保つことができます。

商品の販売個数と在庫数を的確に把握することで、データから仕入れや発注中止を適切に判断できるようになります。

在庫の管理もでき、売れて在庫の減った商品が出てきたら自動で発注を行うことも可能です。

勤怠管理ができる

従業員の出退勤管理もPOSシステムでできるようになりました。

給与計算などの手間も大幅に軽減されるほか、タイムカードのようなアナログ的な出勤管理を行う必要がないのも利点です。

勤怠情報が全てデータ上での管理となるため、自店だけではなく、本部や他店からも勤怠管理の把握をリアルタイムで行えます。

POSシステムのデメリット

初期費用がかかる

初期費用がかかるPOSシステムのデメリットとしてよく挙げられているのが、導入する際の初期費用の高さだと思われます。
POSシステムの導入は決して安く済むものではなく、場合によっては人件費より高くついてしまうようなことも起こり得ます。
特にあまり規模の大きくないお店などで導入する場合には、導入後に想定される売り上げや、従業員の作業効率のアップ、勤怠管理などのメリットと導入に当たる支出額を照らし合わせて慎重に検討しましょう。
ただし、近年では月額基本料が無料となるタブレット型の端末も出来ています。POSシステムを試してみたい場合にはこうしたものを利用するという手も良いですね。

停電に弱い

POSシステムの弱点として、停電に弱いということが挙げられます。
災害の際などに停電が起きてしまった場合、POSシステムを導入しているレジでは会計や発注などの作業ができなくなってしまうのです。データが飛んでしまうということはないものの、レジそのものを開くことができなくなるため、電気の復旧を待つしかなくなってしまいます。
これは手打ちのレジでは起こり得ないことであるため、POSシステムのデメリットだと言えます。

POSシステムの選び方

POSシステムの選び方
POSシステムと一口に言っても多くの提供元があり、様々なシステムがあります。

自社に適したシステムを選ぶための基準を明確にしておきましょう。

直感的に操作ができるか

POS端末やシステムのオペレーションは、直感的で使いやすいものを選ぶのがおすすめです。

高性能であればあるほど、操作方法を覚えるための教育コストや、複雑な操作によるヒューマンエラーのリスクが考えられます。

教育コスト削減とオペレーションミスのリスク軽減のためにもPOSシステムはできるだけ直感的に操作できるものを選択しましょう。

自社の店舗環境に合わせられるか

POSシステムの利用方法は、店舗や商品、対応する決済方法の種類によって異なります。

一体型ですべての機能や周辺機器が整っているPOSシステムの導入は非常に簡単でおすすめもできます。

しかし、自社の環境次第ではカスタマイズできるPOSシステムを導入した方が効率的な場合もあるのです。

店舗環境によって組み合わせをカスタマイズできる拡張性が必要になるかどうかを社内で話し合ってから導入しましょう。

トラブル時に対応について

システム導入の時に確認しておきたいのは、トラブル発生時のサポート体制です。

些細なトラブルでも迅速に対応してくれるサポート体制が整った提供元を選ぶのがおすすめ。

POSシステムを導入する業種の場合、少しの不具合でも業務に支障が出てしまうことが予想されます。

お客様が多い時間帯にトラブルが起きた場合のことも考えて、トラブル時のサポート体制は必ずチェックしておきたい項目だと言えます。

まとめ

POSシステムの導入によって出来るようになることは多く、マーケティングへの貢献も期待できます。
特に、人件費の削減は店舗経営において大きなメリットになるのではないでしょうか。
しかしながらデメリットも当然あるため、事前に十分に情報を仕入れた上で導入を検討することをおすすめします。

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