2024.06.28
免税システム

免税店になるには?必要なものや免税手続きの方法、メリットについて解説

 

免税店になることを検討しているけど、免税店になるにはどうしたら良いのかいまいち理解できずに二の足を踏んでいる…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

免税店になるには、税務署長の許可や書類の提出、条件を満たしていることが必要となります。

この記事では、免税店になるには何が必要なのか、免税販売時の手続きの流れ、免税店のメリット・デメリットについて解説していきます。

 

そもそも免税店とは?

免税店とは、海外へ向けたおみやげ物品の販売を目的として、海外に送るお土産や輸出用品を扱うお店のことです。

海外からの旅行客が、日本国内で海外向けのお土産を買う場合に、免税店で定められた手続きを行うことで、日本国内の消費税を支払う必要がなくなるという仕組みになっています。

 

免税店になるには何が必要?

免税店になるには、税務署長の許可や書類の提出、条件を満たしていることが必要となります。それぞれの必要事項について、詳しく解説します。

 

免税店になるには納税地を所轄する税務署長の許可が必要

免税店になるには、事業者が店舗の納税地を所轄する税務署に「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」を申請し、許可を受けなければなりません。

 

申請は、許可を受けようとする店舗ごとに必要になりますが、複数店舗分まとめて申請することが可能です。

申請にあたっては、下記の国税庁サイトを参照し、所轄の税務署に相談してください。

 

参照:国税庁 一般型輸出物品販売場許可申請手続

https://www.nta.go.jp

 

免税店になるには条件を満たしていることが必要

免税店になるには、以下に挙げる条件を満たしていることが必要となります。

 

・国税の滞納がないこと

・非居住者の利用する場所または非居住者の利用が見込まれる場所に店舗が所在すること

・免税販売手続きに必要な人員の配置と設備が整っている店舗であること

 

※「免税販売手続きに必要な人員の配置」とは、免税販売の際に必要な手続きを非居住者に対して説明が可能な人員を配置することです。外国語については流暢に話せる必要はなく、パンフレット等の補助材料を活用しながら説明できる程度であれば、問題ありません。

 

※「免税販売手続きに必要な設備」とは、非居住者であることの確認や購入記録票の作成といった、免税販売の際に必要な手続きをするためのカウンター等の設備を指します。

 

免税店になるには以下の書類が必要

免税店の許可申請には、以下のような書類が必要になります。

 

・許可を受けようとする店舗の見取図

・社内の免税販売マニュアル

・会社案内、ホームページアドレスなど、申請者の事業内容が分かるもの

・許可を受けようとする店舗の主な取扱商品が分かるもの

 

上記以外にも添付書類が必要な場合もあるため、申請にあたっては下記の国税庁サイトを参照し、所轄の税務署に相談してください。

 

参照:国税庁 一般型輸出物品販売場許可申請手続

https://www.nta.go.jp

 

免税店になるには免税手続きの電子化対応が必要

従来であれば免税手続きは書面で行われていましたが、2018年の税制改正により、2020年4月1日より手続きが電子化されることになりました。

 

経過措置期間終了後の2021年10月1日以降は、電子化に対応していない事業者は免税販売を行うことができなくなったので、注意してください。

 

免税手続きの電子化には以下の事項が必要になります。

 

・所轄の税務署へ届出書を提出

所轄の税務署に「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を提出し、店舗ごとに識別符号を受領します。

 

・インターネット環境の整備

インターネット回線を通じて、購入記録情報(免税売上情報+パスポート情報)を国税庁のサーバへ送信するため、インターネットに接続できる環境の整備が必要です。

 

免税販売時の手続きの流れ

免税店になるための申請が完了して許可が降りたら、実際に店舗で免税販売をすることになります。免税販売時にはどのような手続きが必要になるのでしょうか。

 

購入者が免税店で商品を購入した際の、販売から出国までの流れは以下のようになります。

 

1.購入者が、輸出物品販売場(店舗)に旅券(パスポート)等を提示する

2.免税店は、購入者が非居住者であることを確認

3.免税店は、購入者に必要事項を説明する

4.免税店が購入者に、免税対象物品を引き渡す

5.免税店は国税庁に購入記録情報を提供(免税店は購入記録情報を7年間保存すること)

6.購入者が、税関に旅券(パスポート)等を提示する

7.国外へ、免税輸入物品が輸出される

 

※2021年9月30日までは、従来の書面での手続きが経過措置期間として有効でしたが、2020年4月1日から免税手続きの電子化が開始され、2021年10月1日からは電子化対応が必須になりました。

 

免税の対象となる商品

免税の対象となる商品は、外国人観光客が自国へ持ち帰ることができるもので、食品や飲料、果物、家電、かばん、靴、衣類、民芸品などです。

 

ここで注意すべきは、飲食店が提供する店内で消費される食べ物は対象にならないという点。これは食べ物が国内で消費されているため、日本の消費税がかかることになるためです。

 

また、金やプラチナは免税の対象外となるほか、事業用や販売目的の購入も対象外になります。

 

免税店になるメリット

免税店になるには、決められた申請をしなければならない上に条件を満たしていなければなりません。しかし、免税店になることで、売り上げの向上や集客率の増加が見込めるといったメリットもあります。

 

メリット1.売り上げの向上

外国人観光客は免税店で商品を購入することで、消費税の支払い義務が免除されるため、免税店ではない店舗よりもお得に買い物をすることができます。

特にアジア系の外国人観光客は、お得な買い物を好む傾向にあります。またアジア系の方だけではなく、多くの外国人観光客は、免税という制度があるなら利用したいと考えるでしょう。

免税店であれば、外国人観光客が通常よりも安く商品を購入できるため、購入数が増える、購入金額が上がるといった効果が期待できます。

 

メリット2.最低購入金額による購入金額の増加

免税販売の最低購入金額は5000円となっています。外国人観光客が来店しても購入が少額なことがほとんどのため、免税店になる必要性を感じないという店舗でも、免税店になった方がメリットがあると言えます。

例えば、購入額5000点未満の外国人観光客に対して、5000円以上であれば免税販売品の購入が可能であることを伝えれば、5000円以上の品物を購入する可能性があります。

このように、最低購入金額があることによって、全体の購入額の増加が見込めるケースがあるので、おすすめです。

 

メリット3.インバウンド集客

免税店であれば、ホームページやポスター、ステッカーなどで周知をすることでインバウンド集客を狙うことができます。免税店であることが分かりやすく表記されていれば、外国人観光客も入店しやすいでしょう。

免税販売の制度は多くの国で施行されているので、免税価格で商品を購入できることが当たり前だと考える外国人観光客も多いでしょう。そういった方々は、免税販売を行わない店舗に対して不満や不信感を抱くかも知れません。

免税店であることを視覚的に分かりやすくアピールすることで、そういった外国人観光客も安心して入店できるため、集客につながります。

 

メリット4.免税店・免税エリアとしてブランディングできる

商店街や地域単位で免税店化ができれば、免税エリア(TaxFreeエリア)としてブランディングすることが可能です。

 

外国人観光客のなかには、免税制度が当たり前だと考える方も多くいらっしゃいます。店舗単位だけではなく、商店街・地域単位として免税できることをアピールできれば、外国人観光客の集客につながる可能性が高いでしょう。

 

免税店になるデメリット

免税店になることにデメリットがあるとすれば、免税手続きについて外国人観光客に説明をする必要があること、消耗品などの商品の梱包が特殊であることなどで、手間がかかると言えるでしょう。

 

また、2021年10月1日から免税手続きの電子化対応が必須になったため、システム導入に、費用や手数料がかかる場合があることもデメリットと言えるかも知れません。

 

しかし、手間がかかるというデメリットよりも、集客率の増加や売り上げ向上が見込めるというメリットが大きいため、免税店になることを前向きに検討しても良いでしょう。

 

まとめ

免税店になるには、免税販売手続きの電子化に対応する必要があります。「免税販売を始めたいけど、免税システムの導入についてよく分からない」という方は、POSデータも活用できる免税システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

近畿システムサービスの免税電子化システム「Taxtis(タクティス)」では、POSデータ連動機能が搭載されたタイプもご用意しております。

 

承認送信事業者である近畿システムサービスによって国税庁へのデータ送信や、POSデータとの連動による購買情報の記録も可能です。

 

POSデータ連動の免税システムを導入したいとお考えの方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

 

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