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免税販売手続きの電子化は、訪日外国人旅行者の増加に伴い、これまで紙ベースで煩雑だった免税手続きを簡素化するための取り組みです。2021年10月1日より、免税品の販売時に電子的な手続きが義務化されました。
これにより購買データの自動送信で税務当局への報告も容易になります。本記事では免税販売手続きの電子化に関する概要を解説します。また電子化のやり方や購買者に対するマニュアルを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
「免税販売手続完全電子化」とは
「免税販売手続完全電子化」が施行され、輸出物品販売場(免税店)は免税対象者の手書きでの購入記録作成が不要となりました。代わりに外国人観光客への説明と国税庁への電子的な購入記録の送信が必要となります。ここでは免税販売の電子化に関して詳しく解説します。
いつから完全電子化が開始されたか
免税販売手続きの電子化は2021年10月1日から完全に移行されました。2020年4月から運用が開始されており、2021年9月30日までは従来の紙ベースでの手続きも可能でしたが、2021年10月1日以降は電子化が完全に義務化されています。
この移行により外国人観光客の利便性が向上し、売上増加が期待できるなど、免税販売手続きの電子化はインバウンド需要に伴う課題解決に貢献しています。
参考:国土交通省 観光庁|2021年10月1日から免税販売手続は電子化に移行します
免税販売を電子化するメリット
免税販売を電子化することのメリットは以下の通りです。免税店側と購入者側で見ていきましょう。
メリット | |
免税店側 | ・書面での作成が不要で免税手続きの効率化が図れる
・税務当局への報告も容易になる ・免税対象者の消費拡大につながる |
免税対象者 | ・手続きによる待ち時間がなくなる
・簡単に免税品を購入できる |
ペーパーレス化により免税手続きの効率化が図れ、事務作業の大幅な削減が可能になります。また、免税データの自動送信で税務当局への報告も簡単です。
さらに、外国人観光客の利便性が向上し、売上増加が期待できる点もメリットです。加えて、免税店側では免税対象者の消費拡大にもつながります。
>>POSデータ連動の免税システムとは?電子化対応と業務効率化を実現
免税販売の電子化のやり方
電子化に伴い、未対応の場合は免税販売ができなくなります。免税販売の手続きが完全にデジタル化されるため、免税店は電子化対応を行う必要があります。これから免税店を行う事業者は電子化のやり方を知っておきましょう。
システムの準備
免税販売の電子化を実現するためには、国税庁のシステムとデータの送信ができるインターネット回線や必要な機器の準備が不可欠です。
次に、パスポート情報を読み取るための機器が必要となります。スマートフォンやタブレット端末のカメラ機能、あるいはスキャナーなどを活用することで、購入者の旅券(パスポート)情報を電子的に取得できます。
この旅券情報と購入物品の情報を組み合わせた「購入記録情報」を、インターネット回線を通じて国税庁のシステムに送信することで、免税販売の電子化が実現できます。事業者は、これらのネット環境と必要機器を事前に整備しておく必要があります。
自社申請か代行してもらうかを決定
免税販売の電子化を検討する際、自社で申請を行うか、代行サービスを利用するかを慎重に検討する必要があります。自社申請の場合、システム開発や国税庁への手続きなど、事業者自身で対応する必要があるため、ある程度の専門知識と労力が必要です。
一方で、承認送信事業者を利用する代行サービスを選択すれば、手続きの煩雑さを大幅に軽減できます。承認送信事業者は税務署長の承認を得ており、免税データの送信を代行するため、事業者の負担が小さくなります。承認送信事業者には豊富な実績と知見があるため、スムーズな電子化対応が可能です。
近畿システムサービスは承認送信事業者で、免税電子化の他社送信サービスを提供しています。長年の実績と豊富な知見を持ち、免税店舗の電子化対応を円滑にサポートいたします。免税電子化に不安がある事業者は、ぜひ当社までご相談ください。
所轄税務署に届出を提出
免税店は、免税販売を行う店舗ごとに「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を、納税地の所轄税務署長に提出します。この届出書は、国税庁のWebサイトからダウンロードすることが可能です。近畿システムサービスでは、免税販売の電子化に関する手続きをサポートしており、事業者の皆様の免税販売の電子化に向けた取り組みを支援しています。
他社の免税システムから乗り換える場合
他社の免税システムから乗り換える場合は、承認送信事業者が変更になるため、国税庁へ「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の変更届出書」の提出が必要です。
この手続きを行うことで、免税販売の適切な管理と免税制度の円滑な運用が可能になります。
免税手続き4つのマニュアルを解説
電子化後は免税対象者に対しての確認事項や説明などを行います。ここでは免税手続きを行う流れを解説します。
①購入者に対する免税の有無を確認
免税店における商品の会計手続きと免税手続きの際は、まず消費者が免税を希望するかどうかを確認することが重要です。消費者が免税を希望する場合は、消費税が免除される免税販売となりますが、希望しない場合は通常の課税販売となります。
ただし誰でも免税対象となるわけではないので注意しましょう。
- 外国籍を有する非居住者で「短期滞在」「外交」「公用」の在留資格を有する者
- 船舶観光上陸許可や乗員上陸許可を得た者
- 一般物品物と消耗品での購入金額が税抜で5,000円以上50万円以下の場合
※同時に消耗品・一般物品を購入した場合でも、それぞれでの免税処理が可能
なお、一般物品のみ購入した場合は、上限の金額がありません。
その他にも条件がいくつかあるので、気になる方は下記のコラムをご覧ください。
>>免税対象者とは?免税制度や企業が得られるメリットについて
②購入者に免税手続きの説明を行う
免税店は免税販売を行う際に、購入者に対して必要事項を説明する義務があります。主に以下のような説明が必要です。
- 国外へ輸出するために購入したものであるか
- 出国する際は所轄税関長に旅券等を提示する必要があること
- 出国時に免税対象物品を所持してなかった場合は、免除された消費税額に相当する額を徴収されること
ほとんどが外国語で対応することになるため、店頭にリーフレットを設置しておくことをおすすめします。リーフレットは国税庁のホームページからダウンロードできます。
③パスポートの情報を読み取る
パスポートを提示してもらい、消費者の氏名、国籍、パスポート番号、上陸年月日、在留資格などの情報を確認します。この購入記録情報を免税システムに入力して国税庁に送信します。
④商品の引き渡し
すべての項目が完了したら、あとはお客様に商品を渡すだけです。
失敗しない承認送信事業者の選び方
承認送信事業者を選ぶ際は、まず国税庁の承認要件を満たしているかを確認することが重要なポイントです。また、システムの機能性、セキュリティ対策、操作性、サポート体制などを総合的に比較検討し、自社の業務に最適なサービスを選ぶ必要があります。
また、免税電子化手続きをスムーズに行うには、パスポートやレシートの自動読み取り機能が不可欠です。POSレジシステムと決済端末との連携により、データの一元管理や自動計算、送信が可能になります。これらのサービスを実施している承認送信事業者を選ぶことで、店舗の業務効率化と正確な免税手続きができるでしょう。
近畿システムサービスは免税システムをはじめ、多岐にわたる業界向けのシステム開発に長年携わってきた実績があり、豊富な知見と高い技術力を誇ります。面倒なパスポートの転記作業はパスポートスキャンを行うだけで自動化ができ、これまで手作業だった業務が不要になります。
据え置きタイプやハンディタイプなど、貴社のニーズや予算に合わせた製品や料金プランをご用意しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
免税販売手続きの電子化は、2021年10月1日より義務化され、紙ベースでのやりとりが廃止されました。これにより手書きの記録作成や書類の保管といった手間のかかる作業が不要となり、店舗の業務効率化と免税手続きができます。
効率化をさらに上げるためには、クラウド上でのデータ管理や多言語対応など、店舗の運営形態に合わせた柔軟なシステム構築も重要です。
免税販売の電子化は、店舗の生産性向上と顧客サービスの向上につながる重要な取り組みといえるでしょう。
近畿システムサービスでは354日のサポート体制を整えており、トラブルや疑問点などに対して迅速に対応いたします。「できるだけ月額のコストをかけたくない」「送信だけお願いしたい」「POSレジを導入したい」などのご要望にも柔軟に対応することが可能です。
当社のサービスが気になる方は、無料で請求できる資料やお問い合わせフォームなどをお気軽にご利用ください。