2024.05.31
免税システム

免税対応が可能なPOSレジシステムとは?導入までの流れや5つのメリット

インバウンド需要による外国人観光客の増加に伴い、POSデータ連動の免税システムを導入する免税店が増えました。免税対応が可能なPOSレジシステムは、外国人観光客が商品を購入する際、パスポートの情報を読み取り自動的に免税処理を行えます。

 

これにより業務の効率化や購買データの管理が楽になり、スムーズな販売と顧客満足の向上につながります。

 

本記事では、免税対応が可能なPOSレジシステムを詳しく解説します。さらにPOSレジを導入することで得られるメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

免税対応のPOSレジとは?

POSレジは基本的な販売管理に特化しているのに対し、免税対応のPOSレジは外国人顧客への利便性を考慮したシステムです。

 

通常のPOSレジは、商品のバーコードをスキャンすることで販売情報を自動的に記録・集計できる機能を備えており、売上管理や在庫管理などの業務効率化に役立ちます。

 

一方、免税対応のPOSレジとは、免税に関する機能が追加されたシステムです。具体的には一般物品と消耗品を区別し、免税額を自動計算したりパスポート情報を自動的に読み取り免税書類を自動作成したりする機能が備わっています。

 

これにより免税手続きの負担が大幅に軽減されるため、小規模な小売店でも免税対応が可能になります。また、多言語対応や外国人顧客向けの決済方法にも対応しているのが免税対応POSレジの特徴です。

 

>>POSデータ連動の免税システムとは?電子化対応と業務効率化を実現

 

免税店がPOSレジを導入する5つのメリット

免税店がPOSレジを導入する際のメリットを下記に5つまとめました。これから導入を考えている事業者の方はぜひ参考にしてください。

 

外国人旅行者の情報を瞬時に読み取れる

免税対応のPOSレジには、パスポートに記載された旅券番号、氏名、生年月日などの情報を自動で読み取る機能が備わっています。

 

待ち時間の短縮や入力ミスの防止につながり、外国人旅行者にとってより快適なショッピングができるようになります。店側にとってもお客様の満足度が高まり、売り上げにつながるでしょう。

 

多言語対応が可能

免税店では外国人旅行者が主要な顧客層となっているため、英語をはじめとする中国語や韓国語など複数の言語に対応しなくてはなりません。多言語対応が可能なPOSレジシステムを導入することで、外国人旅行者とのコミュニケーションがスムーズになり、免税手続きの際の混乱を防げます。店舗スタッフの負担も軽減されるため、効率的な運営が可能になるでしょう。

 

免税手続きが簡単

一般物品と消耗品の区分や最低購入金額の計算など、免税手続きに必要な煩雑な計算をPOSレジが自動で行ってくれます。

 

さらに画面上でのパネルタッチ操作で簡単に免税適用ができ、店舗スタッフの負担が大幅に軽減されます。手書きの書類作成が不要で計算ミスなどのリスクがなくなり、正確な免税処理が可能です。

 

また免税対応POSレジを活用することで、購買データを自動的に国税庁のシステムに送信されます。従来では別途購買データを手書きでまとめて送信する必要があり、大きな作業負担がかかっていました。自動送信機能により、手作業によるデータ集計や送信ミスのリスクが低減されます。

購買データをクラウド上で保存できる

従来の紙ベースの免税申請では、外国人観光客のパスポート情報を基に「購入者誓約書」を作成する必要がありました。さらに7年間の保管が必要なので、場所の確保に苦労している免税店もあったでしょう。

 

免税対応POSレジでは、パスポートをスキャンして購買データを自動的にクラウド上に保存できるため、紙での保管が不要です。データの保管場所の確保や、長期保管に伴う管理コストが大幅に削減されます。

 

POSデータ連動の免税システムにより購買情報の分析ができる

POSデータ連動の免税システムにより、購買データの分析活用が可能です。免税店は顧客の属性や購買行動の分析結果を基に、より効果的な販促施策の立案や、商品ラインナップの見直しなど、経営判断を行えます。

 

POSデータ連動の免税システムは店舗の業務効率化と顧客満足の向上を同時に実現できる強力なツールといえるでしょう。

 

免税制度をおさらい!

免税制度はこれまで7回の改正が行われており、最新の改正は2023年4月1日に施行されました。改正頻度の高い制度なので、免税店を行うには常に最新のアップデートが必要です。

 

免税制度とは

免税制度とは、外国人旅行者等の非居住者に対して、特定の物品を一定の方法で販売する場合に、消費税を免除して販売できる制度のことです。この制度の目的は、外国人旅行者の消費を促進し、日本の経済活性化につなげることにあります。

2023年4月1日に免税制度の改正が行われ、手続きの簡素化や、個人情報の確認方法の変更など、利便性の向上が図られました。

 

参考: 国土交通省|消費税免税店サイト

 

>>免税電子化とは-目的やメリットについて解説

 

免税の対象者

免税の対象者は、外国籍を有する非居住者のうち、短期滞在や外交、または公用の在留資格を有する者、および入国後6ヶ月未満の者となります。

 

また、免税対象者の確認には、旅券や在留カードなどの提示が必要です。免税制度は外国人旅行者の消費を促進するための制度で、一定の要件を満たす非居住者のみが対象となっています。

 

>>免税対象者とは?免税制度や企業が得られるメリットについて

 

免税電子化に伴うPOSレジの選び方

免税電子化に対応したPOSレジの導入により、店舗の事務負担が軽減され、外国人観光客の利便性も向上します。業種や規模に合わせて最適なPOSシステムを選ぶことが重要です。

 

お店のニーズに合わせた機能を選ぶ

免税電子化に伴うPOSレジの選び方では、店舗のニーズに合わせた機能を慎重に選びましょう。

 

例えば、小売店では顧客分析や自動注文システムなどの機能が必要ですが、飲食店や化粧品販売店などでは異なる機能が求められます。さらに据え置き型のパスポートリーダーが必要な場合や国税庁に送信だけしたい場合などが考えられるため、それらを考慮しながら決めることが大切です。店舗の業態や規模、将来的な成長を見据えて、最適なPOSレジを選択しましょう。

 

既存のPOSレジに対応できるか

免税電子化に伴うPOSレジを選ぶ際は、既存のPOSレジとの互換性を確認し、免税販売に必要な機能やデータ送信の対応性を検討することが不可欠です。また、POSレジの柔軟性と拡張性も考慮し、将来的なニーズにも対応できるソリューションを選ぶことが望ましいです。

 

そのため現在使用しているPOSレジが免税システムに対応しているかを確認し、非対応でも別途対応できるかを検討しましょう。

 

手厚いサポートを行っているか

免税電子化に伴うPOSレジの選定では、サポート体制が重要な要素となります。導入時のトラブルシューティングや機能の使い方など、いつでも相談できる体制が整っていることが必須です。

 

特に外国人観光客が多く来店するバカンスシーズンは、システムトラブルが発生しやすい時期です。そのため、年中無休のサポートセンターを備えた免税システムを選ぶことで、機会損失を最小限に抑えられます。

 

近畿システムサービスでは、POS連携型の免税システムを提供し、導入から運用まで手厚いサポートを行っています。364日体制のコールセンターや迅速な故障対応など、安心して免税業務を行えるサポート体制が整っているのが当社の強みです。

 

免税店がPOSレジを導入するまでの流れ

 

免税対応のPOSレジ導入には、インターネット回線の準備、税務署への届出、テスト稼働、本稼働への切り替えが必要となります。近畿システムサービスでの免税POSレジ導入の流れは以下の通りです。

 

  1. インターネット回線の準備
  2. 所轄税務署への届出書提出
  3. 実機でのテスト稼働
  4. システム切り替え

 

まず免税POSレジシステムの稼働には、インターネット回線が必須です。社内ネットワークにセキュリティ設定がある場合は、FQDN(ドメイン名)やグローバルIPアドレスなどのポートの解放が必要となります。

 

次に「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」を所轄の税務署に提出しなくてはなりません。届出の際は、承認送信事業者の識別符号欄に、当社からご案内する識別番号を記載します。

 

そして国税庁のテスト環境に対して、送信テストを行い、正常に送信できることを確認します。テストが問題なく完了したら、いよいよ免税POSレジシステムを稼働させて開始です。

 

>>近畿システムサービスの免税電子化システム

 

まとめ

免税対応のPOSレジは訪日外国人の増加に伴い、免税手続きを簡素化し、効率的な販売管理を可能にします。システムにはレジ端末やパスポートリーダーなどの専用機器が必要で、POS連携により、人件費の削減、多言語対応、税務当局への自動データ送信などが可能です。

 

さらにPOSレジの導入により、顧客体験の向上、売上分析、不正防止など、幅広いメリットが期待できます。そのためこれから免税店を始める方は、免税対応のPOSレジの導入を検討しましょう。

 

承認送信事業者でもある近畿システムサービスでは、免税処理に関するシステムの提供を行っており、POSレジの導入から運用までの支援を行っています。

 

貴社の免税対応を迅速に電子化することが可能なので、気になる方はぜひお気軽にご相談・お問い合わせください。

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