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タイムスタンプを導入しようと思っても、仕組みや利用方法が分からない方は多いかと思います。本記事では、初めてタイムスタンプを利用する方にも分かりやすく、タイムスタンプの仕組みや役割、利用方法を解説します。また、タイムスタンプに関連する法律もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
タイムスタンプとは?
タイムスタンプとは、インターネット上で取引や手続きが行われた際に、以下の2つを証明する技術のことです。
- 電子データの存在
- データが改ざんされていないこと
タイムスタンプが刻印された時点で、「その電子データが確実に存在していたこと」と、スタンプの付与から「データが改ざんされていないこと」を証明します。紙の文書なら、契約者様から直接いただいた署名や押印が証拠となります。
しかし、インターネット上の取引では、契約者様から署名や押印を直接いただくことは難しいでしょう。そのため、オンライン上での取引は電子データで行うしかありません。しかし、電子データは改ざんが容易にでき、従来の電子契約では信頼性や安全性に問題がありました。
とはいえ、現代はインターネットを通じて取引や手続きを行うのが主流であるため、電子データにも法的効力を持たせる必要があります。つまり、電子契約において信頼性や安全性を確保するために活用されるのがタイムスタンプです。
タイムスタンプに関連して知っておくべき法律
タイムスタンプを活用すると、電子文書にも法的効力を持たせることが可能になります。法的効力があるからこそ、電子文書に関連した法律を理解しておきましょう。そこで、タイムスタンプに関連する法律を4つご紹介いたします。
- 電子帳簿保存法
- e-文書法
- 電子署名法
- 不正競争防止法
各法律について順番に解説いたします。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法は、国税関連の書類を電子データとして保存する際の法律で、1998年7月に制定されました。電子帳簿保存法が制定されるまで、帳簿書類は紙文書での保存が義務付けられていたものの、法律の条件を満たせば電子データで保存ができます。
ただし、電子データで保存の際はタイムスタンプの付与が必須になります。こちらは、単純にデータの改ざんを阻止するためです。
以前の電子帳簿保存法では電子データを受領・保存し、受領者が署名してから3営業日以内にタイムスタンプを付与する必要がありました。しかし、2022年に法改正がされ「速やかに行うこと」に変更となり、最長で2ヶ月、おおむね7営業日以内に延長されました。
e-文書法
e-文書法は、従来なら紙での保存が義務付けられた文書を電子データでの保存を認めるために制定された法律です。上述した電子帳簿保存法とe-文書法では、対象となる書類が異なります。
e-文書法は、下記のような会社法や商法などで規定されている文書が対象です。
- 医療
- 保険関係
- 証券
一方の電子帳簿保存法では、国税庁や財務省などが管轄する法律の文書が対象となります。
電子署名法
電子署名法は、電子取引が普及したことで制定された法律です。原則として、口頭でも契約は成立しますが、トラブルに発展した場合に備えて、書類での署名や押印など証拠として提出できる資料を準備しておくことが大切です。
電子署名では、下記の2点を証明する必要がありますが、電子署名だけでは署名した日時が確認できません。
- 本人が作成したこと
- 改ざんがされていないこと
そのため、電子署名と併せてタイムスタンプの付与で法的効力を持たせることが可能になりました。
不正競争防止法
不正競争防止法は、事業者同士の公正な競争を確保するための法律です。たとえば、他人の商標を使用する行為や、不正な手段で営業秘密を利用する行為が不正競争に該当します。
競合の事業者が不正競争を行った事実を証明できれば、民事および刑事上の措置を取ることが可能です。自社の企業秘密だったことの証明としてタイムスタンプが活用されます。
タイムスタンプの仕組み
タイムスタンプは、ハッシュ値によって改ざんができない仕組みとなっています。電子データにタイムスタンプを付与する場合、ハッシュ値という固有の文字列を取得する必要があります。そして、電子データの内容に1文字でも違いがあれば、違うハッシュ値が表示されるのです。
逆に、ハッシュ値が一致すれば改ざんされていないことを証明します。このハッシュ値を後述する時刻認証局に送信し、日付・時刻情報を提供してもらいます。
つまり、時刻認証局から提供された情報と、ハッシュ値を作成者が保管することにより、タイムスタンプとして利用が可能です。
タイムスタンプにはどのような役割が求められているか
タイムスタンプには、具体的に以下2つの役割が求められます。
- 書類が作成された時期の証明
- 電子データ保存の真実性の確保
それぞれ解説いたします。
書類が作成された時期の証明
タイムスタンプの1つ目の役割は、書類が作成された時期の証明です。電子署名だけでは「誰が作成したか?」は証明できますが、「いつ作成されたか?」の証明が不可能になります。
だからこそ、先述した時刻認証局という第三者機関に日付と時刻を提供してもらうことで、書類が作成された時期を証明する役割がタイムスタンプには求められます。
電子データ保存の真実性の確保
タイムスタンプの2つ目の役割は、電子データ保存の真実性の確保です。電子データが改ざんされていないことを証明できれば、真実性の確保になります。
実際、電子データは誰でも簡単に書き換えることが可能ですので、真実性の確保がタイムスタンプには求められるのです。こちらの点は、ハッシュ値を取得することが真実性の確保に繋がります。
タイムスタンプを付与する手順
タイムスタンプは、以下3つの手順で付与できます。
- 要求
- 発行
- 検証
それでは手順を1つずつ解説します。
要求
要求とは、電子データをハッシュ値に変換して時刻認証局に送信することです。詳しくは後述しますが、タイムスタンプを利用する際は時刻認証局との契約が必須になります。
発行
時刻認証局がハッシュ値に日付と時刻情報を融合し、タイムスタンプを発行します。ここで発行されたタイムスタンプが利用者に返送されます。
検証
データの改ざんがされていないかを確認するのが、タイムスタンプを付与する最後の手順の検証です。元のデータのハッシュ値と、タイムスタンプのハッシュ値を比較します。ハッシュ値が無事に一致すれば、データは改ざんされていないことになります。
タイムスタンプの利用方法
タイムスタンプを利用するには下記の2つが必須です。
- 時刻認証局と契約する
- 会計システムの導入
それぞれ順番に解説します。
時刻認証局と契約する
先ほども少し触れたように、タイムスタンプは時刻認証局(TSA)から発行されるものです。そのため、タイムスタンプを利用する際は時刻認証局と契約する必要があります。
なお、タイムスタンプを発行できるのは、一般社団法人日本データ通信協会に承認を受けた時刻認証業務認定事業者のみで、2023年6月時点では以下の4社となっています。
- アマノ株式会社
- セイコーソリューションズ株式会社
- 株式会社サイバーリンクス
- 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
会計システムの導入
タイムスタンプは、主に会計業務で作成された電子データに活用されます。つまり、会計システムがなければタイムスタンプを活用できません。近年では、会計業務を自動化できるソフトが開発されているため、まだ会計システムを導入していない方はこの機会にぜひ導入しましょう。
まとめ
本記事では、タイムスタンプについて解説しました。タイムスタンプは、下記の2点を証明する技術になります。
- 電子データの存在
- 改ざんされていない
インターネット上で取引や手続きが主流になった昨今において、タイムスタンプの重要度は今後も増していくでしょう。オンラインで安全に契約が結べるタイムスタンプは、仕事の効率化が重視される今の時代に最適だと言えます。
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