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電子カルテという言葉は、病院の関係者の方であれば知っているかもしれませんね。
紙カルテとよく対比されて語られる電子カルテですが、実際はどういうものでしょうか。
ここでは、電子カルテについて理解を深めてもらう為に、関連するあらゆる幅広い情報をお伝えしていきます。
目次
電子カルテとは?
電子カルテとは、簡潔に言うと「紙カルテの電子版」になります。
以前までは、紙カルテに患者さんの診療内容や経過を記入していましたが、電子カルテであれば、PCや専用の端末機でデータを記録できるようになりました。
そして、電子カルテに記録されたデータは電子データとしてデータベースに保存されるのですが、このようなシステム全般を電子カルテ(システム)と言います。
電子データとしてデータベースで統合管理や編集、記録が行えるという、いわゆるデジタル的な管理が、電子カルテの登場によりできるようになったのです。
>>電子カルテを導入する際の大変なところについて
電子保存の3原則
平成11年4月の厚生省通知「診療録等の電子媒体による保存について」によって、「電子保存」というものが認められるようになりました。
この通知では、医療情報システムの安全管理に加えて、診療に供する情報を扱うが故の医療固有の要求事項が示されています。
これがいわゆる「電子保存の3大原則」と呼ばれるものです。
電子保存の3大原則は、「真正性」、「見読性」、「保存性」の3つの要件で構成されています。
真正性
正当な人が記録し確認された情報に関し第三者から見て作成の責任の所在が明確であり、かつ、故意または過失による、虚偽入力、書き換え、 消去、及び混同が防止されていることである。
なお、混同とは、患者の間違った記録がなされたり、記録された情報間での関連性を誤ったりすることをいう。
見読性
電子媒体に保存された内容を、権限保有者からの要求に基づき必要に応じて肉眼で見読可能な状態にできることである。 ただし、見読性とは本来「診療に用いるのに支障が無いこと」と「監査 等に差し支えないようにすること」であり、この両方を満たすことが、 ガイドラインで求められる実質的な見読性の確保である。
保存性
記録された情報が法令等で定められた期間に渡って真正性を保ち、見読可能にできる状態で保存されることをいう。
引用元:医療システムを安全管理するために
電子カルテのメリット
紙カルテのデメリットを解消
電子カルテに入力された内容は、データベースに電子データとして登録される為、物理的な保管スペースは不要です。
また検索機能を用いれば、特定の患者さんの電子カルテを一瞬でデータベースから探し当てる事も可能です。
そして手書きではないため字が明瞭になり、誰でも容易に読めるようになるので、そういったストレスを解消できます。
業務の効率化
電子カルテは予約や受付、会計や薬の処方、各種関連書類の作成や患者さんのデータの記録など、あらゆる業務を統合して効率化させる事ができます。
用途によっては、電子カルテとは違うシステムも別途導入して連動させる必要性がありますが、機能の拡張ができるというメリットがあります。
例えば、透析管理システムや会計管理システム、画像管理システムなど、電子カルテという機能を超えて充実させる事ができます。
その為、電子カルテによる業務の効率化はどこまで広がりを見せる可能性がある、と言っても差し支えないです。
データの統合管理と共有化
あらゆるデータをデータベースで統合管理できて、なおかつ共有化もできる為、医療施設内であれば即座にリアルタイムでデータを確認する事ができます。
各部署を超えてシステムを構築していれば、データが統合化されている為、部署毎にデータを入力する事がなくなる為、手間も大幅に省けます。
また電子カルテをほかのシステムと連動させれば、他のシステムのデータも一体化させられるので、よりデータの食い違いが起きにくくなるというメリットもあります。
もしも他に見られたくない重要なデータがあった場合は、閲覧制限を掛ければ、他者に見られる事はありません。
医療の安全性の向上
情報を明確化することができるので、転機ミスを減らすことができます。
また、投薬内容を画面上で確認することができるので、重複投薬が今まで以上に発見しやすくなり、より安全性の高い医療を提供できるようになります。
インフォームドコンセントの向上
インフォームドコンセントとは、「十分な情報を得た上での合意」を意味する概念で、患者さんに分かりやすく説明し、同意を得た上で医療を受けて頂くことを言います。
このインフォームドコンセントを向上させることによって、患者さんの日々の記録や検査データ、画像などを分かりやすく見ることができるようになります。
電子カルテのデメリット
初期費用・継続費用がかかる
電子カルテを利用するにあたって、導入するときの初期費用と、システムを継続して利用するための継続費用が必要になってきます。
そのため、これから電子カルテを導入する場合は、導入とき期や運用期間などの見通しをしっかりと立てた上で 十分な資金を溜めておかなければなりません。
>>電子カルテの導入費用についてはこちら
クラウド型の電子カルテを使えば経費がおさえられる
インターネットに接続して電子カルテのシステムを使用するサービスの事を、クラウド型電子カルテと言います。
通常、電子カルテを使用するためのサーバーは医療施設内にあるので、端末機からサーバーにアクセスする事で使用できます。
しかし、クラウド型はインターネット回線さえあれば、サーバーを医療施設内に据え置く事なく使用できるのです。
その他にも、データの保管やバックアップ、セキュリティやメンテナンスなど、使用に必須なあらゆる事から解放されるメリットがあります。
もし経費を抑えたいのであれば、クラウド型の電子カルテの利用を選択肢の1つとして入れておくと良いでしょう。
スタッフが新しい業務フローを覚える必要がある
電子カルテはさまざまな機能を有しており、1つの画面でできることも多く、操作に慣れるまでに時間が掛かります。
スタッフが操作に慣れて独り立ちできるまでは、コストが発生してしまうこともあるでしょう。
これから電子カルテを導入するのであれば、スタッフの方々に導入目的を説明して、皆の合意を得る必要があります。
停電や故障などのトラブル対策が必要
電子カルテは電子機器で構成されているため、停電が起こったときや電力供給が不安定な中では、利用することができません。
そのため、万が一のトラブルに備えて、一時的に紙カルテなどに切り替えるなどの対策が必要になってきます。
日本での電子カルテの浸透率
しかしながら、新規に開業している医療施設においては電子カルテを導入する事例が多く、また、最近では中型病院向けの電子カルテを開発している企業が増えています。
実際に電子カルテの浸透率は年々増加している為、今後も伸びる事が予想されます。
>>電子カルテの選び方についてはこちら
まとめ
電子カルテの導入は、いわばあらゆる業務をアナログからデジタルへ変更する、というようなイメージになります。
デメリットは確かに存在しますが、それは紙カルテにも言える事ではありますし、何よりもそれ以上に大きなメリットが存在します。
医療施設の責任者や経営者の方は、是非導入を検討してみてはいかがですか。