2019.02.01
生産管理システム

生産管理システムとは?利益率アップの理由

製造業にとって欠かせないとされているのが、生産管理システムです。
生産管理システムがないと、製造業における一連の工程を効率化させることができず、一元管理することもままならないため、無駄が生まれてしまうのです。
ここでは、そもそも生産管理システムとはどういうものなのかを、詳しく解説していきます。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

生産管理システムとは

生産管理システムとは、製造業における生産管理という業務をシステム化したものです。
生産管理システムを導入することによって、現場におけるさまざまな業務を効率化することができます。
まずは生産管理とはどういう業務なのかを一緒に見ていきましょう。

生産管理システムの機能

生産管理システムは、資材管理や仕入管理、在庫管理や販売管理など、さまざまな機能を持ち合わせています。
どれも業務において有効な機能となっているため、導入することにより作業効率化はもちろん、安全性の向上やリスク削減、労力軽減など、今まで費やしてきた部分を一気に解消することが可能です。

生産管理とは

生産管理とは、一連の生産工程を管理することを指すのですが、具体的には以下のような業務があります。
ちなみに生産管理の種類は、受注生産型と見込み生産型に二分されます。

生産管理の主な業務

生産計画の考案

生産管理の根幹とも言えるものが、販売計画を基点にした生産計画です。そのため、まずはその考案から始めなければなりません。
具体的には、生産数量や生産の時期(納期)を計画することで、つまりはどの代物をいくつ製造すればいいのかを、まずは策定しなければならないのです。
策定する上で重要なファクターになるのが、製造工場における諸々の工程になります。
 
例えば、製造場所や人員の確保、製造に必要な部品や資材の調達、生産に必要とされる費用や時間、需要や取引先への輸送費用などが挙げられます。
生産計画は、費用の削減や利益率の増加、取引先や顧客のニーズへの柔軟な対応が達成目標として考案されていることが多いです。

販売管理

見積もりや受注、売上や在庫、製造品の出荷の管理など、さまざまな販売業務を請け負い、販売数量と売上情報から策定された請求処理も行います。

原材料や資材の仕入れ

その名の通り、製造に必要な原材料や資材の仕入れを行う業務で、仕入れ先の選定や品質の見定めなどを行います。

製造工程の管理

現場における製造工程を管理する業務で、工程ごとに計画に沿って生産がきちんと行われているのか、目安の品質が保たれているのかを確認します。

在庫管理

企業によって保有するべき適正在庫に差がありますが、多すぎても少なすぎてもいけないので、販売数量や売上情報などのデータと連携して適正在庫を見極めなければなりません。

原価管理

原価が高いと利益を生み出すことは難しくなるため、製造原価など、製造工程から発生した実際の原価を管理する業務になります。

品質管理

製造品に不備があると、購入してもらえないどころか企業の信頼性が低下してしまうので、出荷前に基準の品質が保たれているのかを確認します。

生産管理システム導入のメリット

生産管理システム導入のメリット生産管理システムを導入するメリットには、さまざまな種類があります。

余剰在庫、売り切れを事前に防ぐ

生産管理システムを導入する目的の1つは、余剰在庫や売り切れを事前に防ぐことです。
在庫は多すぎると費用を圧迫してしまいますし、少なすぎると売り切れが起きてしまいますので、いわば適正在庫を確保するということになります。
 
生産管理システムは、需要や生産計画を基点に利用することで、適正在庫を確保できる確率が上がるだけでなく、維持もしやすいというメリットがあります。

業務の負担が解消

生産ラインを可視化することによって、生産拠点ごとの生産量や負担を共有することができるようになります。
それによって生産拠点ごとの負担の偏りが解消され、生産現場にのしかかっていた負担を軽減することが可能です。

利益率のアップ

生産管理システムの導入の1番の目的と言えるのが、利益率のアップです。
生産管理システムは、適正在庫の確保や業務負担の解消だけでなく、需要の予測や数値の自動計算と記録、原価管理などもできるだけでなく、製造工程におけるリードタイムの短縮化なども見込めます。
無駄をできる限り省きつつ、生産工程における各業務の効率化などのファクターは、全て利益率のアップに繋がっていると言えます。
 
利益率のアップは、企業が存続する上では共通の命題とも言えますし、それを果たすためには業務の効率化、ひいては生産効率性のアップが必要不可欠です。
そのため、生産管理システムは、製造業における利益率のアップに大きく貢献できるシステムと言えるのではないでしょうか。

管理費用の削減

生産管理システムで業務をデータ化することによって、手動で行っていたときにかかっていたコストを削減することができます。
基本的な単純作業はシステムが自動的に行ってくれるので、作業員は作業時間を別の業務に割くことができ、手作業で費やしてきた管理コストや不必要な在庫の提言は、生産コストの削減に繋がります。

経営戦略が立てやすくなる

生産管理システムによってかく業務を統合すると、生産管理全体の情報が管理可能になります。
全体を管理することで、それぞれの工程のデータの基づいた売上計画や利益計画を立てられるのも、生産管理システムを導入する大きなメリットです。
生産管理システムで蓄積された膨大なデータを基に、無理なく正確な経営戦略を立てることができます。

人為的ミスの低減

お仕事の現場において人為的なミスというものは、どうしても発生してきます。
人間なのでミスをするのは当たり前のことですが、積み重なる影響は大きく、場合によっては売上低下に繋がってしまうこともあります。
しかし、生産管理システムは今まで行なっていた手作業を自動化してくれるため、ヒューマンエラーを大幅に削減することが可能です。

生産管理システム導入のさいに確認するポイント

生産管理システム導入のさいに確認するポイント生産管理システムを導入するにあたって、確認しておきたいポイントを紹介していきます。

生産現場の状況を確認する

生産管理システムを導入するさいには、いくつか重要なポイントがあります。
その1つは、生産現場の状況から導き出される問題点や改善点の洗い出しです。
 
生産管理システムは、現状の問題を解消して利益率アップに繋げるものなので、生産工程や現場での状況を把握し、どういう問題が起きているのかを見極めなければなりません。
そのためには、まずはどの生産方式を採用しているのかを判断しましょう。

生産方式の種類

ライン生産方式

ライン生産方式とは、ベルトコンベアによる流れ作業を行うことです。
全体の製造工程を流れ作業で行う都合上、製造量や全体の流れを把握するための管理が求められます。
いずれかの工程において不都合が起きると、生産がストップしてしまいますし、不良品が出てしまうと、原因の特定もしなければならないからです。

セル生産方式

セル生産方式とは、単独または複数人によって、製造工程を最初から最後まで行うことです。
納期や製造量にマッチした人員の数などを管理することが求められます。

ロット生産方式

ロット生産方式とは、製造する代物の種類が多いさいには、複数の代物を同時にではなく、一定の数量を目安として順に製造していくことを指します。
効率的に製造するためには、人員や機材の確保と、数量の目安を的確に策定する生産計画と管理が求められます。

個別生産方式

個別生産方式とは、注文されてから生産する、いわゆるオーダーメイドという形になります。
どのくらいの製品をいつ注文するか不透明な状況のため、柔軟に対応できる生産計画と、それを基点にした管理が求められます。
 
また、注文した顧客に納期などの関連情報をお伝えすることも求められるため、製造工程の全体も把握しなければなりません。

問題点や改善点の抽出

現状の問題点や改善点を抽出するためには、生産管理の種類が受注生産型か見込み生産型か、そしてどの生産方式を採用しているかを判断することが大切です。
それぞれの生産方式に適切な管理がどういうものなのかを見極めながら、現状の問題点や改善点を洗い出し、優先順位を付けましょう。
 
優先度の高い問題を1つ1つ明確にしていくことで、それらを解決できるような最適なシステムが自ずと見えてくるはずです。

生産管理システムの種類を確認する

クラウド型

クラウド型とは、インターネットを介してシステムをサービスとして提供することです。
企業はインターネット環境があればクラウド型の運用が可能になります。

メリット

クラウド型はオンプレミス型と異なり、インターネットを介して生産管理システムを利用するため、企業にシステム環境を構築しなくても運用可能です。
そのため、初期費用やランニングコストが安く済み、なおかつ導入もすぐにできるというメリットがあります。

また、オンラインの環境であれば、いつでもどこでも使用できるのもメリットの1つになります。

デメリット

クラウド型の生産管理システムのデメリットとしては、セキュリティを外部に依存することが挙げられます。
何かシステムに不都合が発生した場合には、企業自ら問題の処理に取りかかれず、インターネットを介すため、情報のやりとりにも高度な暗号化が求められます。
 
また、生産管理システムのカスタマイズ性が低いため、企業のニーズに合わせたシステム構築が難しいです。
そして、既に他のシステムソフトウェアを利用している場合は、それと統合して運用するというのも難しいです。

オンプレミス型

オンプレミス型とは、依頼した企業内に、システム環境そのものを構築した上で運用することです。

メリット

オンプレミス型は、企業で生産管理システムの運用環境を構築する関係上、企業のニーズに沿ったカスタマイズできるメリットがあります。
また、既に他のシステムを利用している場合は、それと統合できる場合があります。
 
そのため、使いやすさを重視するなら、オンプレミス型が最適かもしれません。
また、社内ネットワークを利用するため、外部へ情報が漏れにくいという特徴があり、セキュリティや問題の処理は、導入した企業に委ねられます。
そして、オフライン環境でも利用できるため、インターネットに何かしらの障害が起きても、それに影響されることはありません。

デメリット

社内にシステム環境を構築しなければならないため、サーバーやソフトウェアを購入しなければなりません。
また、電気代や保守代も求められるため、初期費用やランニングコストは比較的高いと言わざるを得ません。
 
そして、システム環境の構築やカスマイズをしなければならない関係上、導入までに時間を要してしまいます。

生産管理システムを活用するための制約条件

いくら立派な生産管理システムがあっても、それだけで良い生産計画や原材料、部品の調達計画は立てられません。
生産管理システムを有効に使っていくためには、主に2つの前提条件があります。
それが、外部要因と内部要因です。

外部要因

まずは生産管理システムの外部要因の部分です。
生産管理システムで作成する生産計画は、生産計画=販売計画−完成品在庫で算出されます。
生産のリードタイムが長い場合や、製造の仕掛品を考慮する場合は、生産計画=生産計画−仕掛品在庫となります。
 
生産計画を正確に作成するためには、「販売計画」や「需要・受注」、「完成品在庫」、「原材料、部品在庫」が必要になります。

内部要因

内部要因とは、生産管理システムを正確に稼働するための制約条件のことです。
内部要因には主に以下のようなものがあります。

  • 生産能力情報
  • 歩留まり
  • リードタイム
  • 部品表
  • 需要・受注情報
  • 完成品・仕掛在庫情報
  • 品質情報
  • 物流の情報

これらの内部要因によって、生産管理システム正確に生産計画を作成することができます。

まとめ

生産管理システムは、製造における生産管理という業務を効率化できるため、現在あらゆる企業が運用しています。
導入するときには、いくつか気を付けた方が良いポイントがありますが、上手く運用できれば業務負担が大きく減らせて、利益率のアップが見込めます。
システムの導入を考えている方は、ぜひ参考にしていただきたいです。

おすすめの関連記事