2019.02.01
顧客管理システム

顧客管理システム(CRM)とは

顧客管理の重要性が近年、営業などのビジネスにおいて注目を集め始めています。
 
それに伴って注目度が増しているのが「顧客管理システム(CRM)」というもの。
皆さんも、一度は聞いたことのある言葉なのではないでしょうか。
 
その存在が知られ始めたのが最近であるということもあり、まだシステムについてあまり詳しくないという人も多いようです。
 
今回はそんな方々に向けて、顧客管理システム(CRM)というものについて詳しく解説していきます。
 

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

顧客管理システム(CRM)とは?

顧客管理システムと聞いてイメージするのは、おそらく顧客一人ひとりの売り上げ情報や属性情報などを管理するためのシステムでしょう。
 
しかしただそれだけのシステムというわけではなく、本質的には「顧客との関係性を管理する」ためのシステムという意味合いがあります。
 
そのため一般的な顧客管理システムには、顧客ごとの基本情報だけでなく、購買履歴や商談履歴、マーケティング活動に対する反応、サポートの状況など、実際に取引のある顧客から見込みの段階の顧客まであらゆる顧客の情報を管理できるような機能が備わっています。
 

CRMとは

CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、経営において顧客との関係性を構築しつつ管理するという営業の手法を指します。
 
営業と顧客は切っても切れない関係であり、どんなに質の高い商品やサービスがあっても顧客がいなければ営業は成立しません。
 顧客を営業の中心として考え、顧客と良好な関係を構築できるような事業戦略を立てる営業の形がCRMなのです。
 
インターネットが普及する以前のビジネスシーンでは、顧客の基本状況だけを紙の上で管理するのが一般的でした。
 
しかし情報の探しづらさや更新のしづらさなどのデメリットが目立ち、また顧客のニーズも多様化したことから、顧客一人ひとりにより対応ができるよう、情報をコンピュータ上で管理することが必要になったのです。
 
その結果、顧客の購買履歴や購買志向、購買頻度などの詳細な情報まで管理できるCRMに注目が集まったのです。
 

営業支援システム(SFA)とは別物?

顧客管理システム(CRM)と混同されやすいものに、「営業支援システム(SFA)」というものがあります。
 
SFAは「Sales Force Automation」の略であり、営業支援ツールを指します。
 主には業務の管理、見積り作成、請求書の管理などを行うことのできるツールで、営業担当者の業務の効率化が目的となります。
 
CRMとSFAはまったくの別物で、CRMが「顧客情報を管理するシステム」であるのに対し、SFAは「営業担当者の業務を管理するシステム」となっています。
 
>>営業支援システムの詳細はこちら

CRMの需要が高まっている理由とは

現代では消費者ニーズが潜在化し、競合他社が多くなってきています。
 今や競合商品は大量にあり、消費者はインターネットで競合他社の商品の情報を簡単に知ることができます。
 
それはつまり、顧客が競合他社に乗り換えることも簡単になっているということです。
 
このような状況下で自社が生き残っていくためには、他社に顧客を取られないよう、自社のシェアを拡大・維持していくほかにありません。
 
顧客を味方につけるには、顧客の1人1人のきめ細かい対応を行い、顧客の満足度を向上させていく必要があります。

顧客管理システム(CRM)の機能とは

冒頭で、顧客管理システム(CRM)とは顧客との関係性を管理するシステムだと大まかにご紹介しましたが、具体的にはどんな機能があるのでしょうか。
 
ここからは、顧客管理システム(CRM)の基本的な機能についてご紹介します。
 

顧客や取引先の管理

顧客管理システム(CRM)には必ず備わっている機能で、顧客の氏名や連絡などの基本情報を登録できます。
 
また顧客が個人でなく法人の場合でも活用でき、取引先の基本情報や担当者の管理をすることもできます。
 
担当者が不在の時でも対応ができ、担当者が変わってもスムーズに引き継ぎをすることが可能です。
 
こうした基本的な情報の管理は、すでにExcelなどで行なっているという企業も多いのではないでしょうか。

顧客分析

デシル分析やRFM分析など顧客分析の手法が搭載されているため、顧客登録さえすれば自動で顧客分析まで行えます。
 
条件抽出を細かく行うことができ、たとえば「直近3ヶ月で2万円以上購入した30代の顧客」「近郊に住んでいるが半年間来店のない顧客」など、さまざまな顧客をグループ分けすることができます。

マーケティング

顧客分析で抽出した情報を元に、顧客に合わせたマーケティング活動を行えます。
 
メルマガを配信する際も同じ内容を一斉送信するのではなく、顧客に合わせて内容を変えることもできます。
 
またキャンペーン管理の機能もあるため、実施したキャンペーンの効果を登録して、キャンペーンの有用性を検討するといった使い方も可能です。

顧客サポート

顧客管理システム(CRM)は顧客への働きかけだけでなく、顧客からのアクションに対応することも可能です。
 
顧客からの問い合わせはマーケティングに大いに活用できるため、電話やメールがあった時に顧客情報と紐づけて、どのような属性の顧客がどんな意見や悩みを持っているのかを分析します。
 
また過去の問い合わせを蓄積してFAQを作成することで、問い合わせ対応の時間を削減できます。

営業支援

先に述べたように顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA)は別物ですが、顧客管理システム(CRM)に営業支援の機能が搭載されていることもあります。
 
どの顧客にどういった営業活動をしたかという営業活動管理や、見積もりの作成などを行えるのですが、この時に顧客情報を引用するため、顧客管理システム(CRM)に営業支援の機能が付いている場合もあるのです

こんな課題は顧客管理システム(CRM)で解決

顧客管理システム(CRM)は非常に便利なものですが、自社に導入すべきか判断しにくいかと思います。
 
そこで、顧客管理システム(CRM)で解決できる課題の例をいくつかまとめました。
 

Excelでの顧客管理を不便に感じている

顧客情報の登録自体はExcelでもできますが、何かと不便を感じる場面も多いのではないでしょうか。
 
顧客管理はリアルタイムに行うことが重要ですが、Excelで手打ちをしていると、他の業務があってどうしても後回しになってしまったり、出先から入力することができなかったりといった理由で情報登録が遅れがちになります。

顧客情報を十分に活用できていない

顧客情報のデータはあるものの、登録しているだけで眠らせているといったケースもあります。
 
顧客データがほとんど活用されずに蓄積だけされているということも珍しくありません。
 
特に、マーケティング部門がない会社であればなおさらでしょう。

社内の情報共有が難しい

紙ベースやExcelだと、顧客情報の共有が上手くいかないことも多いのではないでしょうか。
 
誰でも対応できるよう顧客情報の共有は大切ですが、営業担当が外出で不在のことが多かったり、そもそも顧客情報がどこで管理されているのか一部の人しか知らなかったりと、顧客情報を社内で共有するのはなかなか難しいものです。
 
だからといってあまりに簡単にアクセスできるようだと、今度はセキュリティ面が心配です。
 
このように顧客情報の共有は、アクセスの良さとセキュリティ面のバランスを考えなければなりません。

日々の業務が忙しく、分析に手が回らない

営業や販売担当、カスタマーセンターなど、顧客と直接関わる職種はいずれも忙しいものです。
 
そのため、顧客分析をしてサービスの質を上げるのが良いと分かっていても、手が回らないのが現状だと思います。
 
顧客管理システム(CRM)では顧客の基本情報さえ入力すれば、分析や顧客へのアクションまで自動的に行えるため、顧客管理のハードルが下がり、日々の業務の中にも取り入れやすくなります。

顧客管理システム(CRM)導入のメリット

顧客管理システム(CRM)導入のメリット
上記の課題に思い当たることがあれば、ぜひ顧客管理システム(CRM)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
 
顧客管理システム(CRM)を導入することで、具体的に次のようなメリットが得られます。

顧客情報の管理ができる

顧客の氏名・年齢・性別・電話番号などの基本情報に加え、顧客の購買行動に関するあらゆる情報を管理することができます。
 
購買行動に関する情報から、マーケティング施策につながる分析を行うこともできます。
 
顧客が今どのような状況にあるのかを把握できれば、これからどんな施策を行うのか戦略を立てる時のヒントになるでしょう。

顧客へのDMができる

顧客情報と連携し、それぞれの顧客へのDM(ダイレクトメール)の一斉送信を行うことができます。
 
メールの内容は顧客ごとに変更され、またメールの開封率やメール内リンクのクリック率から判断してさらにメールを自動送信することも可能です。
 
メール作成にかかる時間や手間を削減したい方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。

アンケート調査ができる

顧客に回答していただくためのアンケートフォームを作成し、結果を集計することで顧客の購買意向などを効率的に把握することができます。
 
これによって今まで知らなかった発見や、今後に向けての改善点などが見えてくるかもしれません。
 

顧客管理システム(CRM)の活用方法

ここまで顧客管理システム(CRM)の概要や機能についてご説明してきましたが、マーケティングに活かすために重要なのはこのシステムをどう活用するかという点になります。
 
目的や需要に合わせて最適の方法で活用することで、顧客管理システム(CRM)の効果を最大限に引き出すことができるのです。
 
ここではいくつかの活用方法をご紹介していきます。
 
>>飲食店向けの顧客管理システムの詳細はこちら

顧客情報をもとに新たな施策を立てる

顧客ごとの属性情報や購買状況などの情報を分析することで、新たなマーケティング施策を打ち立てていくことができます。
 
ABC分析などによって重要顧客を割り出し、よりターゲットを絞ったマーケティングを展開することも可能です。

属性情報によって対応を変える

顧客はそれぞれ異なる課題やニーズを持っており、それはたとえ同じ業界や業種の顧客同士であっても異なっている場合が多々あります。
 
そのため、各顧客ごとの意向に合わせた適切な対応が重要なのです。
 
顧客管理システム(CRM)は顧客との関係性を管理するツールであるため、そこに属性情報を加えることで各顧客の課題やニーズの理解を早めることが可能になります。

失注案件を活かす

精力的に営業活動を行っても、その内およそ8割ほどは失注案件になるとされています。
 
しかしそれらを全て失注案件だと切り捨ててしまっては勿体ありません。
 
失注案件というのは、一定の期間を経ると新規案件と同等かそれ以上の価値が出てきます。
新規案件よりも相手方の情報をより多く掴んでいることが多いため、とても価値のある案件になるのです。
 
>>顧客管理システムのメリットの詳細はこちら

顧客管理システム(CRM)を選ぶポイント

顧客管理の重要性とは?
顧客管理の重要性から、顧客管理システム(CRM)を開発する企業も増えてきています。
 
多くのシステムの中でも、自社にとって一番コスパの良いものを選びたいものです。
 
数あるシステムの中から最適なものを選ぶためには、次のポイントに注意しましょう。

現場で使えるかどうか

導入する顧客管理システム(CRM)が、現場できちんと運用できるのかどうかを見極めることが大切です。
 
顧客管理システムは企業の課題解決のために導入されるものなので、自力で解決できる場合は、導入する意味があまりありません。
 
「システムを導入した後に結局使わなかった」なんてことにならないよう、あらかじめCRMの必要性を明確にしておきましょう。
 

実際に売り上げの改善に繋がるかどうか

顧客管理システム(CRM)を導入するさいは、「システムが本当に売り上げの改善に繋がるのかどうか?」をしっかりと考えることが重要です。
 
以下にいくつかの業種を例にして詳しくお話ししていきます。
 

営業支援

営業の仕事では顧客情報の入力に時間をかけてしまうと、「顧客とコンタクトする時間」が減ってしまい、「営業の生産性を下げる」ことになります。
 
しかし、顧客管理システム(CRM)を導入することによって、顧客情報などの入力作業を自動化することができます。
 
それによって、今まで入力に費やしていた時間を営業活動に回せるので、より多くの顧客とコンタクトを取れるようになります。
 

コールセンター等、サポート業務効率化支援

従来までオペレーターがキーボードを使っていた顧客との会話内容の記録作業を自動化し、入力作業を大幅に削減することができます。
 
また、入力画面を簡単にセルフカスタマイズできるので、都度SEなどに依頼する手間も減らすことができます。
 
労力の軽減や人的コストの削減に繋がるのは非常に大きなメリットと言えます。

マーケティング戦略支援

顧客の属性や今前の購入履歴、サポートなどを記録して管理することができます。
 
さらに、それぞれの顧客に対応できるようシステム化し、管理内容を1つにまとめることで、さまざまな部署の人たちが情報を共有することができます。
 
また、顧客の特徴を見極めて、一番いいタイミングでアピールするツールとしても有効です。
情報管理を徹底して顧客を満足させることができれば、マーケティングの成功率は大幅に上がるでしょう。

顧客管理システム(CRM)を選ぶ際の注意点

顧客管理システム(CRM)を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。
 
まず初めに重要になるのが、顧客管理システム(CRM)の利用目的を明確にし、最適なものを選ぶための準備をすることです。

特徴を知っておく

顧客管理システム(CRM)にも様々なものがあり、製品ごとに異なる特徴を持っています。
 
似たような機能を備えた製品でも、目的に合致する企業には違いが出てくるのが普通なのです。
 
また、製品ごとの特徴以外にも既存のシステムとの連携や、統合的なシステム環境を望むかどうかによっても選ぶ基準が変わってきます。
 
したがって、自社に会った適切なシステムを選ぶためにも、製品ごとの特徴をしっかりと理解することが大切です。

予算をあらかじめ決めておく

顧客管理システム(CRM)の特徴をしっかりと踏まえた上で、今度は予算を決めていきます。
 
顧客管理システム(CRM)を導入するには、当然ながらそれなりの費用がかかります。
 
製品を選ぶ上である程度の予算を決めておかなければ、選択肢を1つに絞ることができません。
 
導入するためのランニングコストだけでなく、その後の運用費用なども踏まえた上で慎重に予算を設定しましょう。

課題を明確にしておく

顧客管理システム(CRM)は多くの企業から販売されており、特徴や機能、価格は商品によって異なります。
 
そのためシステムを導入するにあたって、現在取り組んでいる事業に効果的かどうかをしっかりと見極めることが大切です。
 
まずはこれから目指していく課題を明確にし、その上でどのようなシステムが適しているのかを考えていくといいでしょう。
 

顧客管理の重要性とは?

現在のビジネスシーンにおいて、顧客管理の重要性は非常に高いものになっています。
 
そのため、経営戦略の一つとして顧客管理を重要なものと位置付ける企業も多くなってきています。
 
では顧客管理の重要性とは、具体的に一体どのようなところにあるのでしょうか。

新規顧客の獲得コストの上昇に対応できる

新規顧客を獲得するためのコストは、以前と比べると非常に高くなっています。
 
それは決して費用だけの話ではなく、作業工数などの点でも言えることです。
例えば電話営業などを見てみると、担当者に取り次いでもらえる可能性というのはどんどん下がっています。
営業を受ける側の、営業に対する耐性が付いているのです。
 
そのため、過去の商談などで受け取った名刺の情報を蓄えて顧客管理をすることが必要になります。
顧客管理システム(CRM)によって、新たな営業案件を自社の力で見出すことができます。
 

顧客管理リストから案件を探すことができる

最近の顧客管理では、顧客との接点などの記録だけでなく、その情報から顧客を仕分けることが一般的になってきました。
 
これには、近年のデジタルマーケティングでメルマガの開封やWebページへのアクセス記録などが顧客情報として記録されるようになったことも関係しています。
 
顧客管理によってそれぞれの顧客の行動を読み取り、そこから営業につなげていくことができるのです。
 

まとめ

顧客管理システム(CRM)とは、顧客の基本情報や購買状況などを記録することのできるシステムであり、本質的には企業と顧客の関係性を管理するという意味合いを持つものです。
 
あらゆる活用方法によってマーケティングの幅を広げ、営業活動の効果をより上げていくことができます。
 
企業にとっても決して安い買い物ではないかもしれませんが、それ以上のメリットを秘めている製品であると言えるでしょう。
 

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