2020.01.30
RFID

HF帯RFIDとは?メリットなどを解説

ネットワーク

RFIDという技術・システムを知っている方は多いと思います。
RFIDは主に4つの周波数帯を用いて無線通信を行なっていますが、HF帯はその1つになります。
 
ここでは、RFIDについて軽く触れつつ、HF帯RFIDの概要やメリットについて見ていきます。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

RFIDとは?

RFIDとは、無線通信を使って情報の伝達を行う技術のことです。
具体的には、リーダーと呼ばれる機器を使ってICタグを読み取ったり、書き込んだりしていきます。
 
無線通信が届くのであれば、距離が離れていても、もしくは箱の中に入っていたとしても、複数のICタグを読み取ることができます。
 
アパレル業界や物流業界ではすでに活用されている現場が多く、最近は大手アパレルメーカーのPOSレジにもRFIDは利用されています。

HF帯RFIDとは?

HF帯RFIDとは、その名の通りHF帯(13.56MHz)という周波数帯で無線通信を行うRFIDのことです。
 
UHF帯と同じようにHF帯のRFIDも幅広く使われています。
基本的には、SuicaやEdyのような非接触ICカード、運転免許証などにHF帯が活用されています。
 
ちなみに、RFIDで使われる周波数帯は、HF帯以外にもUHF帯・LF帯・マイクロ波帯の3種類があります。

HF帯について

HF帯の通信方式は電磁誘導で、UHF帯よりも指向性が広く、水分の影響を受けにくいです。
また、通信距離は数十センチほどのためどちらかいうと短めですが、通信距離は比較的早く、小型・薄型にすることが可能です。
 
そのため、用途としては、SuicaやEdyのように短い距離かつ1対1で金銭のやり取りをするようなケースに向いています。
 
ちなみに、HF帯RFIDはスマートフォンにも搭載可能です。

NFCはHF帯RFIDの一種

NFC(Near Field Communication)という言葉を聞いたことのある方は多いと思います。
NFCは、HF帯に属する通信プロトコルの国際標準規格の1つです。
 
主に交通系ICカードやおサイフケータイなどの電子マネーに活用されていています。
NFCは日本ではあまり普及していないため、馴染みのない言葉かもしれませんが、海外ではすでにNFCを用いた電子マネーが普及しています。
 
NFCという言葉が知れ渡るのもそう遠くはないでしょう。

日本ではFeliCaが主流

日本では、ソニーが開発したFeliCaという非接触ICカードの通信方式が主流です。
FeliCaも、NFCと同じようにHF帯に属する技術体系です。
 
有名どころだと、SuicaやICOCAなどの電子マネーでFeliCaは活用されています。
 
ただし、海外ではFeliCaはあまり浸透していません。
FeliCaの技術も内包しているNFCが普及しているので、今後もFeliCaが海外で普及される可能性は低いと言えます。

HF帯RFIDの特長

HF帯RFIDの特長は、以下の3つです。

  • 短い距離での情報のやり取りに適している
  • 水分の影響を受けにくく、電波の反射・干渉もあまりない
  • 長年に渡る利用実績がある

それぞれの詳細について解説していきます。

短い距離での情報のやり取りに適している

ICタグにより差異はありますが、通信距離が短いとはいえ、HF帯RFIDは伝達できる情報量が多く、通信速度もそこまで遅くないという特長があります。
 
そのため、先ほどもご紹介した通り、短い距離での情報のやり取りに適していると言えます。

水分の影響を受けにくく、電波の反射・干渉もあまりない

HF帯RFIDは水分の影響を受けにくいうえ、電波の反射や干渉もあまりありません。
また、上記のように短い距離での情報のやり取りに適しているので、HF帯は日常的に手軽に利用しやすい周波数帯と言えます。
 
そのため、私たちがよく知らないだけで、SuicaのようにHF帯RFIDを利用したサービスはいたるところにあります。

長年に渡る利用実績がある

HF帯RFIDは、長年に渡って利用されてきた実績があります。
実際にリーダーやタグを含め、HF帯RFIDを用いた媒体・機器はすでに数多くあります。
 
また、運転免許証などの個人認証にも活用されているだけあり、ICチップのセキュリティ性にも配慮されています。
 
日本だけでなく世界でもすでに普及されている技術なので、利用実績は十分と言えます。

HF帯RFIDが利用されるシーン

おサイフケータイHF帯RFIDは、非接触ICカードや住民基本台帳カードの個人認証だけでなく、他にもさまざまなシーンで活用されています。
 
例えば、製造や公共サービス、流通や小売、医療や図書館、レンタル品や資産の管理、ピッキングなどが挙げられます。
ただし、そういったシーンではUHF帯が使われていることも多いので、用途によって使い分ける必要があります。
 
よく言われているのが、UHF帯はモノの管理、HF帯は人に関わるシーンに向いているということです。
 
そのため、製造や公共サービス、流通や小売、医療などの面で人に関わるシーンがあれば、HF帯RFIDは十分に活用できると言っていいでしょう。

まとめ

HF帯RFIDについて、詳しく解説しました。
参考になったでしょうか。
 
HF帯RFIDは、私たちの日常生活で毎日のように関わっている技術・システムです。
しかもそれは日本だけに留まらず、海外でも広く普及されています。
 
HF帯に限った話ではなく、UHF帯のRFIDも今後の発展が見込まれているので、RFIDという技術の未来は明るいと言えるのではないでしょうか。
 
>>RFIDの特徴についてはこちら

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