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外国人観光客数の回復を受け、免税システムの導入を検討している方は多いのではないでしょうか。
更なる増加が見込まれるインバウンドの消費を促すためには、やはり免税店になるだけでなく、免税システムの運用も肝要と言えます。
ここでは、免税システムがどういうものなのかを詳しくご紹介しつつ、それに関連したありとあらゆる情報も掘り下げていきます。
目次
免税システムとは
免税システムを一言で言うと、今まで手間が掛かっていた消費税を免除するための手続きを簡略化するシステムです。
後述する手続きフローの中でも、購入記録表や誓約書を含めた免税書類の作成は、以前までは手書きで行っていたため、どうしても10分前後かそれ以上の時間が掛かっていました。
ですが、免税システムの登場により、パスポートを専用機器で瞬時に読み取りつつ購入記録表に印字し、必要事項だけを手書きもしくはPC入力で容易に作成できるようになりました。
時間にすると、免税手続きを最短3分以内に終えられるようになった上、ミスも起きにくくなるというメリットがあるのです。
また、専用の免税カウンターにシステムを設置する場合は、複数のレシートを読み取りつつ自動合算できるという機能があるため、免税処理をまとめて行える上に、その作業も手早く終えることができます。
>>免税の仕組みを知りたい方はこちらへ
免税手続きのフロー
店舗における免税手続きの手順は、
- 商品の購入時に非居住者の証としてパスポートを確認する。
- 消費税を免除して商品を販売する。
- 購入記録表と誓約書を作成する。
- 誓約書にサインをしてもらう。(店舗で7年間保管)
- 購入記録表に必要事項を記入してパスポートに貼付する。
- 免税対象商品を引き渡す。(消耗品であれば、品名リストの作成および貼付が必須)
大型施設などで、免税手続きのための専用カウンターを設置している場合は、
- 購入日の同日中に、免税されていない各店舗の購入品とレシート、パスポートを確認する。
- 購入記録表と各店舗の誓約書を作成する。
- 誓約書にサインをしてもらう。
- 購入記録表に必要事項を記入してパスポートに貼付する。
- 消費税を返金する。
このように、店舗におけるフローと免税カウンターにおけるフローには、違いがあります。
>>免税手続きの詳細はこちらへ
>>免税を受けるための条件はこちら
免税システムがないデメリット
免税システムがないデメリットは、先述したように誓約書や購入記録表を手書きで作成、場合によっては品名リストも作成しなければならないため、どうしても時間を要してしまうことです。
1人当たり10分近くの時間を要してしまうと、目の前の外国人観光客をお待たせしてしまうのはもちろんですが、人気店であれば長蛇の列が毎回のように起きてしまう恐れもあります。
そもそもとして、1人に対して15分以上を手続きに費やしてしまうこともあります。
免税店になることで、確かにインバウンドの消費を促し売上アップが見込めるメリットがありますが、その代わり対応スタッフに負担を強いてしまうデメリットも同時に生まれてしまうのです。
免税システム導入のメリット
免税システムに導入には、
- 手続きの効率化
- 購買分析が可能
- 手軽に導入できる
以上3点のメリットがあります。
以下では、それぞれを詳しくご紹介します。
手続きの効率化
先程もご紹介しましたが、免税システムの導入により手続き時間が短縮化されるため、外国人観光客を長くお待たせする必要がなくなるだけでなく、対応スタッフの負担が軽減できるようになります。
また、度々起きていた記載ミスや記載漏れを防止できる上に、誰でも簡単に免税手続きを行えるため、免税対応のためのスタッフを必要以上に増やす必要性もなくなります。
専用の免税カウンターを設けている場合でも同じことが言えるため、免税手続きに対してあらゆる面で効率化を図れるメリットがあると言えます。
購買分析が可能
外国人観光客の購買情報を、免税システムの機器単体で、もしくはPOSレジと併用することで分析できることが、2つ目のメリットになります。
全ての免税システムに備えられている訳ではありませんが、売上を集計する機能をシステムに搭載しているものがいくつかあります。
この機能により、詳細な購買分析が可能になるので、インバウンド向けの売り場の改善や適性在庫の確保がより綿密に実施できるようになります。
手軽に導入できる
免税システムの導入には手間とコストが掛かる、とお考えの方は多いのではないでしょうか。
確かに専用の機器を各種取り揃える必要はありますが、既存のPOSレジやパソコンを取り替える必要性がないため、プランによってはそこまでの金額は発生しません。
また、免税システムは小型の機器によって構成されているという事もあって、スペースさえあれば、作業的にもすぐに導入することができるのです。
POSレジと一体になった免税システムの導入、もしくは専用のパソコンを新たに購入する場合には、コストはどうしても高くなってしまいます。
そういったことをしないのであれば、免税システムの導入は、コスト的にも作業的にも手軽に行えます。
>>免税書類作成システムについてはこちら
免税システムに必要な機器
免税システムを構築するためには、開発会社やプランによって違いはありますが、機器を一通り揃える必要があります。
- パスポートリーダー(スキャナ)
- 免税書類・ラベルの発行プリンタ
- ハンディターミナル(必要な方のみ)
- パソコン(必要な方のみ)
- POSレジ(必要な方のみ)
パソコンは、システムソフトウェア(アプリ)をインストールするために必要なので、既に所有していてスペックが充分であれば、特に買い換える必要はありません。
ハンディターミナルは、パソコンの代わりを担う機器で、なおかつリーダーとしての機能も備えています。
そのため、小さいスペースで免税システムを利用するのに向いていて、この場合、他に必要な機器はプリンタのみになります。
免税POSレジについて
免税手続きだけでなく、販売やいろいろな支払い方法に対応した場合には、POSレジと免税システムが一体になったシステムである、免税POSレジがオススメです。
POSレジである以上、売上分析はもちろんですが、販売と免税手続きが一括で処理できる上、色々な支払い方法に対応しているため、他店との差別化を図れます。
また、どの商品が免税対象かどうかを、レジが代わりに判断してくれる機能も備えています。
POSレジと免税システムが一体となっている特性上、価格はどうしても上がってしまいますが、店舗状況によっては導入してみてはいかがでしょうか。
免税システムの選び方
さまざまな企業が免税システムを開発しているので、何を選んで良いか分からないという方がいるのではないでしょうか。
選ぶ方としては、コストを考慮するのはもちろんですが、免税販売を行う状況を考慮することが肝要になってきます。
例えば、1店舗で免税販売するのか、あるいは専用の免税カウンターを設置するのかで、プランや必要な機器は変わってきます。
小さいスペースで行うなら、ハンディターミナルを使用したプランが最適ですし、免税処理を素早く行いたい場合には、パソコンの用意が必須になります。
免税販売の状況を詳しく理解して考慮しないと、余計なコストを費やしてしまいますし、相談を受けた業者も、どのプランを勧めていいのか分かりかねるかもしれません。
そのため、予算だけでなく免税販売の状況を考慮することが、システムを選ぶ際のポイントとなります。
そもそも免税店になるには
免税店になったことでインバウンドの取り込みに成功し、売上がアップしたという声は至るところで上がっています。
消費税が免除される金額の基準はありつつも、2014年に免税対象商品が拡大したこともあって、免税店になろうと考えている方は多いのではないでしょうか。
ですが、免税店になるためには、納税地を所轄する税務署の許可が必要になりますので、なろうと思ってすぐになれる訳ではありません。
もしかしたら、免税システムを導入するよりも、免税店の許可を得る方が大変かもしれませんね。
申請に必要なもの
- 輸出物品販売場許可申請書
- 許可を得ようとする販売場の見取り図
- 社内における免税販売のマニュアル
- 申請者の事業内容が確認できるもの(会社案内やHPアドレスなど)
- 許可を受けようとする販売場の取扱商品が分かるもの(一覧表やカタログなど)
以上が、申請に必要となるものです。
マニュアルに免税システムを運用する旨を記載することで、許可を得やすくなるための要素になるのではないでしょうか。
国税庁のページ→https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/150331_01.htm”
>>免税店の申請について知りたい方はこちらへ
包装
気を付けていただきたいのですが、対象となっている消耗品を免税販売するには、経済産業大臣や国土交通大臣が指定する方法で、包装しなければなりません。
これは日本国内での消費を防ぐためで、袋であれば無色透明のプラスチック製、箱であれば発泡スチロール製もしくはダンボール製のものを使用しなければなりません。
なおかつ、全ての品名と各個数を記載したリストなどを貼付したり、出国するまで開けてはいけないことを教えなければなりません。
こういった点は免税システムではさすがに簡略化できないので、免税店になることを検討している方は、しっかりと留意しましょう。
免税手続きの電子化について
2020年4月1日から、免税手続きが電子化され、インターネットを通して国税庁に書類を送ることで免税手続きができるようになりました。
運用は前述の通り2020年4月1日からスタートし、2021年10月からは電子化が完全に義務化されています。
電子化された免税手続きのフローとしては、
- 外国人観光客がパスポート情報を提供する。
- 購入者に対して必須事項を説明する。
- 免税対象商品を引き渡す。
- 国税庁に購入記録情報を提供。
- お店は購入記録情報を7年間保存する。
になります。
>>免税の電子化を知りたい方はこちらへ
旧制度との違い
2020年4月1日までの免税手続き制度との違いは、主に以下の4つです。
・書面での取引は不要
パスポート等の旅券以外は、書面での取引が廃止されます。
・購入者に対しての説明
購入者に対して、必要な説明事項を説明することが義務になりました。言葉が通じない場合は、外国語で書かれた書類を交付することも可能です。
・免税販売情報を国税庁へ送信
輸出物品販売場を経営する事業者は、購入記録情報を国税長官に提出しなければなりません。その際は「免税販売管理システム」に接続し、購入記録情報をデータで送信します。
・免税データの保管
国税庁へ提供した購入記録情報は、免税販売を行った日が属する課税期間の末日を起点に、7年と2ヵ月保存しておかなければなりません。
まとめ
免税システムは、お客様と店舗スタッフの双方にメリットを十二分に還元してくれる代物です。
外国人観光客がかなり回復してきている今、インバウンドを取り込んで売上のアップを図るには、免税システムは大きく貢献してくれるファクターになります。
導入および運用を検討している方は、ぜひ参考にしていただきたいです。