2022.08.30
デジライター

OCRとは?業務改善に必要なツール

近年、さまざまな分野でデジタル化やペーパーレス化が推進されています。

紙の文書をスキャンすることで、デジタルデータに変換する「OCR」も、こうした動きの中で注目度が高まっている技術です。

OCR製品を導入すると、データの利便性が高まり、業務効率を高めることにもつながります。

そこでこの記事では、OCRとはどんな技術なのか、そのメリットなどについて紹介していきます。

業務改善を図りたい方は、ぜひご覧ください。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

OCRとは

OCR(オーシーアール)とは、紙に手書きや印刷された文字をスキャンすることで、コンピュータで使えるデジタルデータに変える技術のこと。

「Optical Character Recognition/Reader」の略で、日本語では「光学的文字認識」と呼ばれています。

日本では1968年にOCRの国産機器が開発されており、郵便番号の自動読み取りなどに活用されてきました。

開発当初は大型の機械でしたが、近年は端末の小型化が進んでおり、スマートフォンなどで利用できるものも増えています。

OCRの技術を活用すれば、紙の書類をコンピュータに手入力せず、デジタル化することも可能。

文書のデジタル化やペーパーレス化が求められる昨今、OCRサービスの注目度は高まっています。
 

文字出力までの仕組み

文字出力までの仕組み

ここでは、OCR端末にて文書がどのようにデジタル化されるのか、その仕組みを順に見ていきましょう。

スキャン

まずは、デジタル化したいデータを、OCR端末にてスキャンすることから始まります。

この処理自体は、新聞や雑誌などをスキャナに取り込むのと同じ要領です。

デジタル化したい文書を用意したら、OCR端末に取り込んでいきます。

この際、できるだけ鮮明な画質でスキャンできると、文字の認識率が向上します。

レイアウトの解析

次に、書類上に混在する文字と画像を分けていく、レイアウトの解析が行われます。

レイアウトの解析が行われることで、文字に対しては文字処理が、画像には圧縮やノイズ削減が行えるようになるのです。

この段階では文字をかたまりで認識しており、どのように配置されているかを解析し、文字認識の順番を決める処理が中心に行われています。

使用する機器によっては、あらかじめ文字と画像を人の手で登録するものもあるでしょう。

文字の処理

続いて、文字部分を分解していく、文字の処理が行われます。

これは、レイアウトの解析でかたまりと認識していた文字を1行ごとに分解した後、さらに1文字ずつに分解していく工程です。

文字の大きさを調整する「正規化」や、文字がもつ特徴を見つけていく「特徴抽出」などが行われます。

スキャンした文書が復元されていく段階と捉えるとよいでしょう。

出力

文字の処理が終わると、さまざまなファイル形式で出力が可能となります。

Word(ワード)やExcel(エクセル)などにも変換可能になるということです。

ファイル形式によっては、デジタル化したデータの修正をコンピュータ上で行えるため、利用範囲を広げやすいでしょう。
 

OCRサービスの使い方

OCRサービスには、いくつか種類があります。

企業や個人でも使いやすいのはOCRアプリで、データ化したい文書をスマートフォンのカメラで撮影すれば、素早くデジタル化することが可能です。

また近年は、オンライン上で文書のスキャンとデータのデジタル化が行えるサービスも増えています。

すでに撮影してある紙の書類や、画像データを利用する場合に便利でしょう。

正確で完成度が高いデジタルデータを望む場合は、OCRの代行を専門に行う企業に依頼することも可能です。

文書量が多い場合は、作業コストの軽減にもつながるため、予算に合わせて検討すると良いでしょう。
 

OCR技術の活躍の場

OCRはさまざまな場で利用されてきた技術ですが、近年はバックオフィス業務の効率化を目的とした用途が増えています。

これまで、紙ベースで行われていた業務をデジタル化することで、効率化を図ろうとする動きが活発化しているのです。

経済産業省を中心にこうした活動が推進されており、その中にもOCR製品を用いた紙書類のデジタル化が取り上げられています。

少子高齢化が急速に進み、今後の労働力不足が危惧される日本。

OCR製品の活用により、できるだけ無駄な業務をなくしていくことが望まれているといえるでしょう。
 

AI OCRとOCRとの違い

AI OCR(エーアイ オーシーアール)とは、AIが搭載されたOCRのこと。

従来のOCRと比べて、文字認識の正確性が向上し、より幅広い形式の書類を素早く処理できる技術です。

たとえば、従来のOCRでは漢字で書かれた「夕方」の「夕」を、カタカナの「タ」と判別することが困難でした。

しかし、AI OCRであれば、手書きであっても高い確率で認識できます。

このように、従来のOCRよりも高い処理能力を備えているのが、AI OCRの特徴です。

OCRのメリット

OCRのメリット

ここからは、OCRのメリットについて見ていきましょう。
 

紙の上の情報を電子化できる

OCRを利用しないでデジタル化する場合には、紙面上の情報を人の手によってコンピュータに入力する作業が必要です。

文字数や項目数にもよりますが、こうした作業はあまり効率的とはいえません。

一方で、OCR製品を活用すれば、短時間で紙面上の情報をデジタル化できます。

そのため、データ入力作業の手間を大幅に削減できるでしょう。

また、紙の書類のように保管場所を確保する必要もありません。

文書の紛失や劣化を気にする必要がない点も、メリットといえるでしょう。
 

業務改善できる

OCRを活用すれば、コンピュータ上での利便性が高まります。

検索機能を使えば必要なデータを瞬時に見つけることができ、情報を共有したいときにはメールへの添付も可能です。

さらに、必要に応じてコンピュータ上で修正が行えるため、業務効率が上がりやすいでしょう。

必要に応じて、自宅からでもデータにアクセス可能となるため、リモートワークを推進する際の利便性も高まります。

OCRを導入する際の注意点

OCRを使ったサービスは、さまざまな種類があります。

そのため、利用目的に合わせて自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。

まずは保存したいファイル形式から考え、各企業のサービス内容を比較していきましょう。

導入コストやランニングコスト、専用の機器の有無などはチェックしておきたいポイントです。

無料版を公開している企業もあるため、こうしたサービスもうまく活用しながら、自社に適したサービスを選びましょう。

まとめ

OCRを活用すれば、紙の文書を短時間でデジタル化できます。

デジタルデータにすることで、必要なときに素早く検索や共有がしやすくなるため、業務効率も向上しやすいでしょう。

業務改善を図りたい企業は、OCR製品の導入してみてはいかがでしょうか。

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