2021.11.30
生産管理システム

SCM(サプライチェーンマネジメント)とは?導入事例

グラフ

ある商品を購入しようとした際に、手元に届くまでにどのような人が関わり、どのくらいの時間がかかっているのかご存知ですか?

今回紹介するSCM(サプライチェーンマネジメント)は、商品が消費者の手元に届くまでのフロー全体を管理する手法のことです。

SCMとはどういうことなのか、今注目されている理由や導入のメリットなどについて詳しく紹介します。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

SCMとは

SCMとはサプライチェーンマネジメントの略です。

まずは消費者の手元に商品が届くまでの流れを考えていきましょう。

消費者に商品を提供しようと思えば、その商品の原材料を調達しなければなりません。

原材料を調達したらその原材料を工場まで運び商品へと加工、完成した商品を物流業者が小売店へと運送します。

そして小売店で商品を販売し消費者が購入するという流れです。

このすべての工程をサプライチェーンと呼び、SCMとはサプライチェーン全体の情報を管理したり連携したりしてフロー全体の最適化する方法をいいます。

SCMが注目されている理由

少し前にSCMは話題になりましたが、実は最近になってまた注目され始めているのです。

注目されるようになった理由について考えていきましょう。

企業のグローバル化

インターネットが普及し、家にいながら海外の商品を購入できるようになりました。

つまり、企業にとっての消費者は国内だけでなく海外の人も含まれるようになったのです。

対象が世界となることで、1つ1つを分断するような管理では他社に後れを取るばかりか、在庫があまったり供給が遅れたりして経営面でも損失が出てしまう可能性があります。

サプライチェーン全体を管理して最適化すれば、各工程がスムーズに進みロスを防げるようになるでしょう。

労働環境・物流の変化

国内に目を向けると、少子高齢化が進み、今後労働人口がどんどん減っていくことが考えられます。

また、深夜勤務などの労働条件や労働環境は良くないという風潮が高まり、配送ドライバーが不足しているのも労働環境や物流業界が変化している1つの要因とされています。

こういった労働環境や物流の変化のために、できるだけ無駄を省き配送のタイミングなどを最適化していかなければ、サプライチェーンが滞ってしまう可能性があるでしょう。

ビジネスモデルの変化

これまでは、お店に行って商品を購入することが当たり前でした。

しかし先ほど紹介したように、インターネットを介した通信販売も増加しています。

フードデリバリーのようにお店自体にデリバリーの機能を持っていなくても配達員を使うことで、デリバリー業界に進出できるようになるなど、販売と配送が一体化し始めているのです。

つまり、新しいビジネスモデルが誕生し、それには総合的な管理が求められているということがわかるでしょう。

ERPとの違い

SCMと似ているERPという言葉をご存知ですか?

2つの違いについて押さえておきましょう。

ERPとは

ERPとは、Enterprise Resource Planningの略です。

企業の資源を総合管理して効率化を図る手法をいいます。

SCMと何が違うのかというと、SCMは調達から販売までの工程を最適化することですが、ERPは企業全体の最適化を図る点です。

SCMのプロセス

SCMロゴ

SCMを行うプロセスを簡単に見ていきましょう。

予測・計画

まずはどれだけ需要があるのか、どれくらい商品を用意しなければならないのか、商品の販売によって企業目標を達成することになるのかなど、さまざまな情報を収集し、予測と計画を行います。

実行

予測と計画ができたら、商品やサービスを作り出し提供する事業者や販売店を選びましょう。

配送システムの構築、返品商品の回収プロセスの構築などを整えた上で、運営を開始します。

モニタリング

事業者や販売店、配送システムなどを常にチェックし、滞っている工程はないのか、非効率な部分はないのかなどを日々モニタリング。

何か問題があれば、どうすれば効率化できるのかなど修正を加えてサプライチェーンを常に最適化していきます。

SCM導入のメリット

メリット
次に、SCMを導入するメリットについて考えていきましょう。

コストの削減

需要予測やさまざまな情報を用いて販売数を調整しているため、ベストなタイミングで商品を出荷できるようになります。

無駄に配送したり多くの商品を作り置きしたりすることが減るため、コスト削減につながるでしょう。

在庫管理

在庫は多く抱えるとコストが膨らみ、在庫を抑えるとニーズがあるのに販売できないという機会損失を生みます。

SCMを導入すれば、どの商品が在庫として多く残っているのか、また反対に不足しているのかをすぐに把握できるため、適正な在庫管理ができるようになるでしょう。

人的資源の有効活用

SCMを導入してサプライチェーン全体をチェックすると、どこに人不足が生じているのかを明確に判断できます。

不足している部門に人材を投入すれば、サプライチェーンの滞りも解消でき人的資源を有効活用できるようになるでしょう。

SCM実施には生産管理システム導入がおすすめ

SCMは調達から販売までを一元管理することを指すため、生産管理システムを導入することがおすすめです。

生産管理システムとは、ある商品の製造スケジュールを管理して、計画通りそして品質を保証しながら適正なコストで製造し納期に間に合わせるという生産管理を、ITを使ってシステム化することをいいます。

生産管理システムを導入することで、SCMの実施がスムーズに進むでしょう。

まとめ

調達から販売までの工程やそれに関わる人が多ければ多いほど、少しずつ無駄が発生する可能性があります。

その無駄を積み重ねれば大きな損失となり会社の経営を圧迫しかねません。

SCMを導入して最適化していくことで効率化が進み、企業経営の改善はもちろん消費者の利便性も向上するはずです。

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