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電子証明書が使えるようになると、様々な手続きを電子申請で済ませることが可能になります。
役所で行う公的手続きでも使うことができるので、移動時間や待ち時間の省略にも繋がりますね。
しかし、たとえ便利でも費用が高くつくのでは?と思っている方も多いのではないでしょうか。
確かに一定の費用はかかるものの、今後の書面手続きでの手間を考えると多くのメリットもあります。
ここでは、そんな電子証明書の費用について詳しく解説していきましょう。
目次
電子証明書とは
費用の解説に移るまでに、まずは電子証明書がどのようなものかの解説から入ります。
電子証明書は、主に電子署名を使う際に利用されています。
インターネットの世界でいうと「身分証明書」代わりのものです。
例えば紙の文書への署名であれば、その文書に目の前で本人が押印をしていたり、印鑑証明などによって本人であることが確認できます。しかし、電子署名の場合にはそうはいきません。
その文書の電子署名が本当に本人のものかを証明する手立てが必要になります。
そこで使われるのが、電子証明書です。
電子証明書は、作成された電子文書と電子署名が第三者によって改ざんされていないことを、認証局を通して法的に証明してくれるものです。
よって、今後電子文書の手続きをしたいと考えているのなら、電子証明書は欠かせません。
電子証明書を使うメリット
電子証明書を使うことで、以下のようなメリットがあります。
- 役所などでの手続きをするための移動時間や待ち時間を省略できる
- 申請を出した後も進捗を確認できる
- 紙文書への記載の時間を短縮できる
- いつでも手続きの申請ができる
- 各種行政手続にも利用することができる
電子証明書を使うデメリット
一方、電子証明書には次のようなデメリットもあります。
- 認証局によっては利用者が限られる
- 有効期間がある
- 取得費用がかかる
- 手続きには一定の手間がかかる
これらのなかから、今回は費用について詳しく解説していきましょう。
電位証明書の費用は利用条件によって異なる
電子証明書を利用する場合、以下のような利用条件によって費用は異なります。
- 電子証明書の種類の違い
- 認証局の違い
- 有効期間の違い
それぞれ詳しくみていきましょう。
電子証明書の種類の違い
まず最初に見ておきたいのは、電子証明書の種類についての違いです。
実は、電子証明書には大きく分けて「ファイルタイプ」と「ICカードタイプ」の2種類があります。
この種類によって、かかる費用も異なります。
一般的にパソコンに直接インストールする「ファイルタイプ」の方が費用は低くなる傾向があります。
例えば、法人認証サービスを提供している「日本電子認証株式会社」の場合、1年間有効な電子証明書で39,420円です。
一方、法務省が発行しているファイルタイプの電子証明書の場合には、1年間で7,900円になります。
ICカードタイプは、ICカードリーダーも必要になるため、ファイルタイプに比べると費用はかかると思って良いでしょう。
ちなみに、ICカードリーダーは1万円程度で購入可能です。
「それならファイルタイプであればお得だ」と感じるかもしれませんが、ファイルタイプは費用の他に少し懸念点があります。
それはファイルタイプの場合、インストールしたパソコンによっては、セキュリティ上の問題が発生する可能性がある点です。
例えば、社内で電子証明書をファイルでインストールしたパソコンを複数の社員が共有で使う場合、もしかすると悪用されてしまうかもしれません。
一方、ICカードタイプであれば、ICカードさえしっかり管理できていれば、セキュリティー面での心配はありません。
たとえ、共有のパソコンであっても、ICカードをカードリーダーで読み込まなければ電子証明書として利用することが出来ないからです。
こういった部分では、費用だけにとらわれずに検討する必要があると言えます。
有効期間の違い
上記の表にもまとめていますが、有効期限による違いもあります。
有効期限については、基本的には長い方がお得になります。
これからも長く電子証明書を使う予定があるのなら、なるべく長めで契約しておいた方が良いと言えますね。
電子証明書の取得までの流れ
最後に、電子証明書を取得する際の流れについてご説明します。
専用ソフトウェアをインストール
電子証明書を取得するには、まずパソコンに専用のソフトウェアをインストールする必要があります。
法務省が提供するものであれば、ホームページから無料でダウンロード可能です。
申請のための準備
専用ソフトウェアのダウンロードができたら、次に「鍵ペアファイル」「証明書発行申請ファイル」(以下、ふたつまとめて「SHINSEIファイル」とする)を作成します。
作業としては、専用ソフトウェアを利用して、会社名などの必要情報を指示通りに入力していくだけです。
しかし、この段階で電子証明書の有効期間(3ヶ月単位)や、パスワードなどを決めなければなりません。
会社で承認が必要な場合は、あらかじめ準備しておきましょう。
電子証明書の発行申請
準備ができたら、書面かオンラインにて発行申請が必要です。
書面で申請する場合、SHINSEIファイル作成の手順で準備したものをCDやUSBメモリなどに保存しておきます。
その後、電子証明書発行申請書に必要事項を記入・押印のうえ、USBメモリなどに保存したSHINSEIファイルとともに管轄登記所へ提出します。
このときに使用する印鑑は、管轄登記所に届け出ているものでなければなりません。
オンラインで申請する場合は、SHINSEIソフト作成用のソフトウェアとは別に、「申請用総合ソフト」をダウンロードする必要があります。
申請用総合ソフトで必要事項を入力し、SHINSEIファイルを添付すれば申請が可能です。
電子証明書の取得
書面で申請した場合、電子証明書発行確認票が発行されたら、電子証明書をダウンロードします。
電子証明書のダウンロードは、SHINSEIファイルを作成した専用ソフトウェアから可能です。
シリアル番号などは電子証明書発行確認票に記載があるので、確認しながら入力してくださいね。
オンラインで申請した場合は、申請用総合ソフトで現在のステータスが確認できます。
「手続終了」になったら、画面上でシリアル番号を確認し、SHINSEIファイル作成用の専用ソフトウェアから電子証明書をダウンロードしましょう。
まとめ
ここでは、電子証明書の費用についてその概要から解説しました。
参考になりましたでしょうか。
電子証明書を利用する場合、多少の費用は発生するものの、その分メリットが多いこともわかったのではないでしょうか。
導入に関しては、費用も含め、今後の電子証明書の利用方法も含めて検討してくださいね。